マンションリサーチ株式会社は2021年上半期の東京都23区不動産マーケットを調査し、値上がりのあった中古マンションのトレンドや値上げ率を発表した。
 

値上がり率上位3つの中古マンション


調査で2021年上半期の値上がり率が最も高かったマンションは以下の通りとなった。
 

1位 ワールドシティタワーズ ブリーズタワー

【本物件平均成約坪単価】
2020年:3,414,426円/坪
2021年:4,152,333円/坪(+737,907円)(+21.6%)

港区港南4丁目にある地上42階建ての同物件は、品川駅への居住者用シャトルバスも出ておりアクセスが良いのが特徴である。2005年竣工のため築15年以上だが、高い値上がり率を保っている。

2001年以降2010年以前に港区で建築された中古マンションの平均成約坪単価は+7.67%上昇しているため、同物件はこの平均の約3倍の値上がり率となった。
 

2位 アウルタワー

【本物件平均成約坪単価】
2020年:4,278,258円/坪
2021年:5,131,849円/坪(+853,590円)(+20.0%)

豊島区東池袋4丁目で地上52階地下2階の同物件は豊島区では唯一TOP10ランクインとなり、サンシャインシティのすぐ隣に位置する。竣工が2011年以降の物件の平均成約坪単価の値上がり率は+12.39%のため、この平均と比べてもかなり高いことがわかる。
 

3位 プラウドタワー東雲キャナルコート

【本物件平均成約坪単価】
2019年:2,661,951円/坪
2020年:3,154,486円/坪(+492,535円)(+18.5%)

第3位にランクインした当物件は江東区東雲1丁目にある地上52階、地下2階の物件である。江東区2011年以降築平均成約坪単価の上昇率は+9.64%で、それに比べてもやはり高い数値である。

江東区東雲エリアは商業施設が立ち並び、同物件はキッズルームやフィットネスルームなどの共用施設も充実しているため、利便性の面で高く評価されているようだ。
 

東京都23区で値上がりした中古マンションの特徴とは


値上がり率が10位以内にランクインした物件を見ると、値上がりした中古マンションのトレンドがわかる。主にマンションリサーチ株式会社が発表した特徴は以下の通りだ。

高層マンションである:10位以内にランクインした全てのマンションが地上20階立て以上のマンションであり、うち6物件は地上40階以上となった。

ブランドマンションである:3位の野村不動産の「プラウドタワー」や4位の住友不動産の「シティタワー」(シティータワー有明)などのブランドマンションが多くランクインしており、ブランドが資産価値の上昇に貢献していることがわかる。

「駅近」よりも「開放感」:1位、5位のワールドシティタワーズ、3位の東雲キャナルコート、10位の晴海テラスの物件はいずれも駅から10分と少し交通の利便性はかけるが、駅近である以上に「マンションの周辺が開けているか」「敷地が広いか」「景観は綺麗か」などが重視されているようだ。

築10年~15年のマンションも:リノベーションやリフォームが普及する中、築浅とは呼ばれないがマンションの基本性能が築浅に引けを取らない2000年代、2010年代に建築されたマンションの価格が上昇している。

湾岸エリアにある:港区や江東区(品川・東雲・有明・豊洲エリア)などにある物件が非常に多くランクインしていることがわかる。海や川辺にある開放感だけでなく、開発が進んでいるエリアでもあるため物件の価格も上昇しているようだ。

参照:PRtimes