加速するDX(デジタルトランスフォーメーション)化に伴い、高度なスキルを持った人材を育成するための「リスキリング」(職業能力の再開発・再教育)を行う企業が増えている。これを受け株式会社ワークポートは全国の転職希望者を対象に、「リスキリング」についてアンケート調査を行った。

調査の結果、「リスキリング」という言葉を「知らない」と回答したが71.2%を占め、社員にとって「リスキリング」の認知度はまだ非常に低く、馴染みがないことがわかった。しかし社内研修やスキルアップに関心を示す人は多いようだ。働き手が「リスキリング」をどのように捉えられているのか、詳しい結果は以下の通りとなった。
 

現在リスキリングを受けている人はわずか6.7%。一方で受けたいと思う人は85.2%


現在「リスキリング」を受けていると回答した人は6.7%にとどまり、今後受ける予定があると答えた人もわずか1.6%であった。「リスキリング」の知名度が低いのと同様、導入もまだ初期段階でありほとんどの企業では行われていないことがわかる。

一方で受けていないと回答した人に、今後リスキリングを受けたいと思うか聞いたところ、「とても思う」(47.1%)、「やや思う」(38.1%)とする人は合わせて85.2 %となり、デジタル社会に適応するためのプログラミングやAI、DX関連のスキル取得への意欲は高いことがわかる。

ただ、受けたい・受けたくないと回答した双方から聞かれた懸念点としては、業務負担が増えることや会社の自己満足になる可能性があること、実用性がないことがあげられた。
 

またデジタル教育に限らず、勤務先で既存社員の学び直しの機会や、新しいスキルを身につけられるような取り組みがあるかを聞いたところ、「はい」と回答した人はわずか17.6%にとどまった。デジタルスキルに限らず、社内教育や研修が不足している実態があるようだ。

同社によって2020年1月に行われた別のアンケートでも同じ質問がされたが、そのときは「はい」と回答した人が24.8%と少し高かったことから、コロナ禍の業績悪化で教育への投資が後回しにされている現状が浮かび上がってくる。
 

89.5%がリスキリングやスキルアップの取り組みを行う企業は「好印象」


最後に、転職者として企業を選ぶ際に「リスキリング」やスキルアップの取り組みを行う企業は魅力的だと思うかを聞いたところ、「とても思う」(54.6%)「やや思う」(34.9%)を合わせて89.5%が魅力的だと回答した。働きながら自身で時間を探し勉強することが難しいと感じる人もいる中、働きながらスキルアップをし成長する機会がある企業に好印象を抱く転職者が多いようだ。

DX化に限らず、変わっていく時代に対応できる人材を常に作り続けていくために、また働き手にとって働きがいのある環境を提供するために、「リスキリング」は今後注目すべきキーワードであるだろう。

■調査概要 
・調査期間:2021年8月25日~9月2日
・調査対象:同社利用者 (全国の20代~40代の転職希望者、男女)
・有効回答:493人  
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

参照:PRtimes