株式会社ヒップスターゲートは、従業員数300人以下の中小企業経営者を対象に「従業員の教育制度と課題」に関する調査を実施した。コロナ禍の影響で、多くの企業で売上の低下や採用作業の難航が見られる中、中途採用者及び既存社員の社内教育の役割が重要視されている。中小企業の社内教育の実態はどうなっているのか、結果は以下の通りである。
 

直近3年間で満足のいく採用活動ができなかった人が50.9%



まず最初に、直近3年間の採用活動について聞かれた。「ある程度満足のいく人材採用ができた」(31.1%)と答えた人が最も多かった一方で、「全く満足のいく採用活動ができなかった」(20.7%)「あまり満足のいく採用活動ができなかった」(30.2%)と答えた人が計50.9%に上った。

また「人材を確保するために採用基準レベルを変えましたか?」という質問に対しては、「変えていない」と回答した人が61.9%、「かなり甘くした」「やや甘くした」と回答した人が計25.7%となった。

具体的には、無資格や未経験の応募者も採用を始めた企業が多いようである。基準を甘くすることで採用の幅は広がる一方で、社内教育の質が求められることになる。
 

『社内勉強会』が一番多い教育制度。一方で教育の目的を達成できていないと感じる企業も



中小企業が取り入れている教育制度について聞いたところ、「社内勉強会」(37.8%)、集合研修(26.1%)、自己啓発(26.1%)、OJT(21.7%)が最も多い制度であった。一方で社内勉強会を取り入れていない理由としては、「準備する時間が取れない」(29.2%)「実施する時間が取れない」(26.8%)「教える人材がいない」(24.3%)が挙げられた。時間と人材不足が主な問題となっているようだ。



社内勉強会を行う目的も聞いたところ「ビジネススキルの向上(営業力・リーダーシップ・マネジメント力 など)」(58.8%)という回答が最も多く、次いで「チーム力・組織力強化」(54.2%)「社内の横の繋がり(リレーションシップ)」(42.5%)「企業理念・ビジョンの浸透」(39.9%)「離職率の減少」(16.8%)と続いた。

目的が達成されていない理由としては、
・教え方、話し合い方の問題、社員の仕事に対する意欲低下
・会社独自の規約や指導なので、外部との温度差や違いがある
・教育する側のカリキュラムの不十分さ
・人材が固定化されていて、惰性になっている
・社員のモチベーションが低い
などが挙げられた。

コロナ禍でリモートワークが普及し、採用活動の難航、業績悪化が懸念される中、特に既存の従業員の教育が大事と考える企業も多い。各企業の教育担当者には、社内勉強会などの教育制度のやり方を見直し、多様な手法に目を向けていくことも求められているのかもしれない。

■調査概要
・調査日:2021年9月17日(金)
・調査方法:インターネット調査
・調査人数:1,020人
・調査対象:従業員数300人以下の中小企業経営者

参照:PRtimes