転職の面接の際に想定される質問の中で「なぜあなたは転職をしようと思ったのか」「転職理由を教えてください」という質問があります。

今回は、不動産業界経験者約70名に”なぜあなたは転職を考え始めたのか”、転職理由についてお聞きしましたので、その中で多くの回答であった上位5つをご紹介致します。更に本記事では、不動産業界経験者が転職を考えたきっかけをご紹介するだけでなく、転職をご検討中の方向けに、転職を考えたきっかけを質問された場合、どのような内容だと面接官に好印象を持ってもらえるのかについてもご紹介致します。面接対策に是非ご活用くださいませ。

1.面接で「転職を考えたきっかけ」が質問される理由

そもそもなぜ面接官は面接で「なぜあなたは転職をしようと思ったのか」を質問してくるのでしょうか。面接官の質問の意図を理解するだけでも質問に対する回答が変わってきます。では面接官はこの質問からなにを知りたいのか。これはずばり
「すぐに辞めてしまわないかどうか」
「自分の会社に合うかどうか」
こちらについて知りたいと思っているのです。(不動産会社人事部より)

2.不動産営業経験者に聞いた、”だから私は転職した”

 

2-1.残業・休みに関する内容(22名)

一番多く意見が集まったのが、福利厚生に関する内容でした。
社会的には現在働き方改革に伴い、残業時間の削減や休日がしっかり取れるようになっている企業が増えたように思えます。筆者の友人の不動産保証会社では、18時以降残業したい場合は残業申請をしなければならなく、内容が重要ではない場合は残業が許可されない時もあるそうです。(残業代が10分単位で発生するため。)
しかし、不動産業界は昔から「残業が多く休みが取れない」と言われており、今そのスタイルを受け継いでいる企業が少なくないようです。

■残業・休みに関する実際の声
・週2休みといわれていたが、実際は週1日も休みが取れていない(20代 マンション販売 男性)
・残業が21時~22時まである(30代前半 賃貸仲介営業 男性)
・ワークライフバランスを考え土日休みの会社が良い(20代後半 売買仲介営業 男性)

その他、”残業が多く自分の時間が取れない”、”副業がしたい”、”休みがなく、拘束時間が長い”などの意見がありました。
残業・休みに関する内容で転職をご検討中の方は、残業がなかったら何ができていたのか、休みが今よりも取れるようになったら何をしたいかを考えるといいでしょう。また、残業・休日が転職理由になる方は多く、面接官にとっても「業務時間内に仕事が終わらせられない人なのか」「PDCAが上手く回せない人なのでは」といったマイナスな印象を与えてしまうこともあるので、別の転職理由を伝えることもいいと思います。

 

2-2.仕事内容に関する内容(19名)

2番目に多かったのは仕事内容に関することでした。不動産業界で実際に働いてみたらこんな職種あったんだ!と気づくこともあると思います。その場合、不動産業界は経験者ですが、ある職種に関しては未経験の状態です。その職種につくにはどんなスキルが必要になるのか事前に調べて置き、現職でなにを培ったかを含めて説明できるといいと思います。

■仕事内容に関する実際の声
・売買や仕入れなど大きな金額が動く仕事がしたい(30代前半 賃貸仲介営業 女性)
・新築、土地、戸建て、マンションなど幅広く取り扱いたい(30代前半 戸建て販売 男性)
・将来独立するためにもっと幅広く経験したい(20台後半 土地活用営業 男性)

その他、仕入れをやってみたい、宅建を取得したので売買仲介をしたい、広範囲ではなく地域密着型で仕事がしたいなどの意見がありました。

本当は不動産管理がやりたかった…などの理由は「その会社を選んだのはあなたですよね。」「当社に転職してきてもやりたくない仕事が回ってきたら辞めてしまうのでは」といった疑問にもつながってきてしまいます。そのため、職種を変えたいという理由で転職をご検討中の方は、
・なぜ今の職種から別の職種に変えたいと思ったのか
・今の職種だと何ができなくて、次の職種だと何ができるようになるのか
を考えながら、プラスな印象を与える回答ができるといいでしょう。

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2-3.会社・将来に対する不安(コロナの影響を含める)(13名)

現在、コロナウイルスの影響もあり、今回の質問では具体的な回答が多かったです。会社・将来に対する不安が転職の理由になっている方は、今から面接を受けに行く会社の会社概要や沿革を熟読し、どこが自分の理想に当てはまっているのかを伝えるようにしましょう。

■会社・将来への不安に関する実際の内容
・コロナの状況もあり将来が不安になった(20代後半 賃貸仲介営業 男性)
・会社が自主退職を募り始め、今後不安になった(20代後半 土地活用営業 男性)
・試用期間が勝手に伸ばされる、成長ができない(20代前半 売買仲介営業 男性)

現在は、先程も記載した通りコロナウイルスの影響もあり、会社や将来に不安を覚えて転職を検討し始める方も多いでしょう。
ですが、面接官に直球で伝えてしまうと「会社が辛い時に辞めてしまう人」「もし当社の業績が下がってきたらその時はまた別の業績がいい会社に行くんだろうな」と思われてしまいます。そのため、転職理由の1つとして会社や将来の話をするのはOKですが、その他の転職理由も考えておくといいでしょう。

 

2-4.給料面に関する内容(13名)

■給料面に関する実際の声
・契約するより残業した方がお金がもらえるからやる気がでない(20代後半 売買仲介営業 男性)
・結婚して子供ができたので安定した収入が良い(20代後半 PM 男性)
・実績を上げているのに他の人と給料が一緒(20代後半 賃貸仲介営業 男性)

お給料に対して不満がある場合は、
①自分がどのくらいの成績を収めているのか
②今の自分の成績ならいくらが妥当なのだろうか
③自分は年収いくらを目指したいのか
上記3点を自分の中で考えた上で転職先の決定をしたり、また面接官に転職の理由を問われた場合は上記3点をしっかり説明できるようにしておきましょう。
「今の会社はお給料が低いので辞めたいです。」だけだと面接官としては情報が不十分のため、「お給料を上げるほどでもないと思われている人なのでは」という風にも捉えられてしまいかねないので気を付けましょう。

 

2-5.キャリアアップに関する内容(12名)

キャリアアップに関する内容では、今の会社では○○についてやり切ったため次のステップへ行きたい、次は前職の経験を活かして△△の仕事をやりたい、もっと幅広い経験を積みたいなど、プラスな内容が多かったです。

■キャリアアップに関する実際の声
・トップセールス、トップマネージャーになったのでやり切った。これ以上ここでで成長できることはないと思った。(30代前半 不動産営業 男性)
・不動産会社で一定の成果が出せたと自身で納得できていたため、もっと色々な経験が積みたいと思った。(40代前半 不動産営業 男性)
・今の仕事を9年間やってきているが業務内容が変わらない。(30代後半 賃貸仲介営業 男性)

キャリアアップが転職理由の場合は、キャリアアップした後に描いている理想が、面接企業とマッチしているかが大切になってきます。もしキャリアアップした後に描いている理想と面接企業の業務内容とが合わなかった場合、面接官からは「当社はあなたが今おっしゃった内容と一致しませんが大丈夫でしょうか?」との質問にも繋がってきてしまい、マイナスな印象を与えてしまうので、面接を受けに行く企業の企業分析はしっかりと行いましょう。

 

2-6.その他

5つの分類分けには入ってきませんでしたが、その他お聞きした内容で、興味深かったものをいくつかご紹介致します。
①会社の方針と合わない(20代後半 賃貸仲介営業 男性)
②オーナーの賃貸経営をサポートする時に、自社として紹介できる商品には限界があり、もどかしく感じる。(30代前半 不動産管理 男性)
③上司のやる気がない(20代後半 用地仕入れ 女性)

 

3.面接官に好印象を与えられる回答とは

「この回答をすれば絶対に面接を通過する。」という回答をお伝えするのではなく、今回はどういう内容の回答が面接官に好印象を与えられるのかについてご紹介致します。

3-1.他責の回答か、自責の回答か

今、あなたが考えている、または現在面接官にお伝えしている転職を考えたきっかけは他責の回答でしょうか、自責の回答でしょうか。不動産転職エージェントリアルエステートWORKSでは、転職を考えたきっかけがなるべく他責にならないようにすることをおすすめしております。なぜ他責ではなく自責の回答をおすすめしているかというと、面接官に対して他責はマイナスの印象を与えることが多く、自責はプラスの印象を与えることが多いからです。

では、他責の回答、自責の回答とは具体的にどのような内容なのでしょうか?「お給料が低い」という転職理由を例にしてご紹介致します。

他責の例:私は入社して4年経ちますがお給料が2年目以降変わらず、賞与もでないので、もっと年収を上げたいと思い転職活動を始めました。

自責の例:私は現在入社して4年が経ち、2019年の営業成績は3位でした。1,000万円プレーヤーになることを目標にしており、次は営業成績に見合った評価をして頂ける環境で働きたいと思い、転職活動を始めました。

他責の例の場合、「お給料が変わらない」、「賞与がでない」と面接官が受け取る内容がマイナスな印象のみになってしまいます。一方、自責の例ではいかがでしょうか。「営業成績が3位」「1,000万円プレーヤーになりたい」「営業成績に見合った評価をしてほしい」と、自分の会社に入ったら年収1,000万円を目指すために活躍してくれるのではないか?というような想像を掻き立てられます。

もし営業成績が中くらいだった場合は「それはお給料上げられないよね」というように思われてしまうこともありますので、その場合は、お給料以外の転職理由を考えましょう。


4.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は不動産業界経験者の方が実際に転職を考えたきっかけについてと、面接官に好印象を持たせられる回答についてご紹介致しました。上記の内容に当てはまらなかった方、また、上記のきっかけには当てはまったけれども少し違う言い回しを探している方は、是非リアルエステートWORKSのキャリアコンサルタントにお問合せ下さいませ。

 

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