未経験での転職でどのような知識が必要なのか分からない方のために、必要な知識について詳しく説明します。
不動産営業として特に重要な知識である不動産・ローン・税金に分けて解説しますので、興味がある方はぜひ参考になさってみてください。
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不動産営業が最初に覚える知識
不動産営業として仕事をしていくには様々な知識が必要とされます。ここでは最初に覚えるべき知識を3つ紹介します。
・エリア知識を身につける
・物件情報を覚える
・各専門知識を身につける
それでは具体的に見ていきましょう。
エリア知識を身につける
まずはエリア情報を身に付けましょう。つまり地理に詳しくなる必要があります。
例えば、公共交通機関(駅やバス停)までの距離、学校区や学校までの距離、病院までの距離、近隣スーパーまでの距離など知識として身に付けておく必要があります。
もっと具体的に最寄り駅では快速・急行電車も停車するのか、また近所のスーパーの営業時間やお得なキャンペーンを実施する日程などの情報も身についていると不動産営業として強みにすることが可能です。
車通勤が中心のエリアでは渋滞情報なども把握し、提案できると喜ばれるでしょう。
物件情報を覚える
次に商品でもある物件の情報を覚えましょう。物件を売買する場合でも仲介する場合でも、自分が営業する商品であるため、知識を身につけておく必要があります。
最低限でも、物件の登記情報や都市計画、ハザードマップの内容については理解し、説明ができるよう知識を入れておきましょう。
物件情報を頭に入れた上で、その物件の強みや弱みとなるポイントを理解しておくことで、他物件と比べてアピールできるポイントを把握することが可能です。
各専門知識を身につける
不動産営業は各分野にて専門知識を身に付ける必要があります。物件の提案段階や、その後契約を行い、取引を進めていく上で、様々な知識を活用します。
その中でも特に、不動産、ローン、税金に関して知識を押さえておくことが大切です。
それぞれの分野にて次の項目にて詳しく見ていきましょう。
不動産営業に必要な不動産に関する知識
まずは不動産営業に必要な不動産に関する以下の知識について説明します。自分が扱う商品の情報ですので、詳しく理解しておく必要があります。
・建ぺい率や容積率など法律の基礎知識
・既存不適格建築物など業界特有の知識
それでは具体的に見ていきましょう。
建ぺい率や容積率など法律の基礎知識
物件を見る際に建ぺい率や容積率などの法律の基礎知識は必要です。法律についての基礎知識が無ければ、その土地に対してどのような建物を建てることができるのか判断することができません。
まずは建ぺい率について説明します。
建ぺい率は敷地面積に対する建物の割合の事を言い、建築面積を敷地面積で割ることで計算することができます。
つまり、建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100
例えば、建ぺい率が50%、敷地面積が100㎡の場合には、その土地に建てられる建物の建築面積は最大50㎡と計算することが可能です。
次に容積率について説明します。
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合の事を言い、延床面積を敷地面積が割ることで計算することができます。
容積率(%)=延床面積÷敷地面積×100
例えば、容積率が160%、敷地面積が100㎡の場合には、その土地に建てられる建物の延べ床面積は160㎡と計算することが可能です。
建ぺい率や容積率の上限は地域や行政によって異なりので、市町村の都市計画課などに問い合わせて調べてみましょう。
既存不適格建築物など業界特有の知識
既存不適格建築物など、不動産業界特有の知識が必要になります。ちなみに既存不適格建築物とは、建築時点では法令を遵守しており、合法だったものの、その後の法令の改正によって、現時点では法令に不適格な部分がある建物の事です。
例えば、耐震基準や、建蔽率などが変更となり、既存不適格建築物となっている事例は多く存在します。
(参考:国土交通省 既存不適格建築物に係る指導・助言・勧告・是正命令精度に関するガイドライン)
不動産の取引の際にはこれらのような業界特有の知識を持ち合わせている必要があります。
不動産営業に必要なローンに関する知識
不動産営業ではローンに関する知識が必要です。まずは以下の3つを理解しておく必要があります。
・事前審査と本審査の違い
・3つの金利タイプ
・住宅ローン控除
それでは具体的に見ていきましょう。
事前審査と本審査の違い
住宅ローンの融資を受けるには「事前審査」と「本審査」の2段階で審査が行われます。不動産の購入希望者がどのくらいの金額の住宅ローンを組めるのか確認するために、行うのが「事前審査」です。
事前審査を受けたからといって、必ず借入する必要はなく、複数の金融機関に事前審査を申し込むこともできます。
物件購入に向けてお互いに長い時間を使って、何回も打ち合わせを行ったにも関わらず、結局金融機関から融資を受けられない、となれば物件を購入することができないため、お互いに時間を無駄にしてしまうことになります。
そのため、不動産営業は割と早めに事前審査を勧め、本当に融資が受けられるのか、いくらぐらいの融資が可能か把握をしておくことが重要なポイントです。
しかし、勤務先や年収など聞かなければ、事前審査も受けられませんので、早期に信頼関係を構築できる営業スタイルを目指しましょう。
次に「本審査」は購入する物件が決まり、契約後にしか審査をすることができません。
正式に住宅ローンに申し込むことで受ける審査です。
事前審査よりも厳しく調べられるため、提出する書類も多くなります。
事前審査で承認が出ていても、本審査で否決され融資が受けられない場合もありますので、注意しましょう。
3つの金利タイプ
住宅ローンには借入金利が3つのタイプがあります。3つの金利タイプとは「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」「変動金利型」です。
借入期間中に金利が変動しないものが「全期間固定金利型」です。
そのため、借入時に完済時までの返済金額が確定するため、安心感が高く、市場金利の変動を気にする必要がありません。
計画的な返済計画を立てるには良いですが、一般的には変動金利タイプに比べ、金利が高いことがほとんどです。
一方で金利が変動するものが「固定金利期間選択型」「変動金利型」です。
「固定金利期間選択型」は借入当初5年、10年など一定期間は固定金利が適用され、その期間が終了すると変動金利に移行するタイプとなります。
「変動金利型」は金融情勢が変われば、定期的に借入金利が変動するタイプです。
金利が変動し、返済額が一定ではないため、総返済額が見えないというデメリットはありますが、現時点では固定金利タイプより、金利が低いというメリットがあります。
お客様にはそれぞれの金利タイプについて説明し、要望に近い住宅ローンを案内していくことが必要となるでしょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除もお客様にはお得な制度ですので、理解した上で、説明ができるようにしておきましょう。住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して物件を購入した際に適用でき、年末時点での住宅ローンの残高の1%が入居時から10年間もの間、所得税や住民税から控除される制度のことです。
ただし、適用されるには条件がありますので、注意が必要です。
適用されるための条件を以下に3つだけ紹介します。
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・物件取得後6カ月以内に入居し、控除を受ける年の年末まで継続して住んでいること
・登記簿上の専有面積が50㎡以上
適用を受けるには初年度には確定申告が必要ですので、お客様にはしっかりと案内をしておくことが重要です。
不動産営業に必要な税金に関する知識
不動産営業では扱う物件の金額も大きいため、税金に関する知識も身に付けておく必要があります。まずは以下の内容の税金について理解しておきましょう。
・所得税・住民税
・固定資産税
・不動産取得税
それでは詳しく見ていきましょう。
所得税・住民税
所得税は所得に対して支払う税金であり、住民税も毎年、自治体に収める必要がある税金です。賃貸住宅を所有していると家賃収入が発生するため、所得税を納付しなければなりません。
家賃収入から必要経費を差し引き、税率を掛けた金額から、課税控除額を引いたものが所得税となります。
住民税は取得割と均等割りの2種類があります。
法人との取引であれば、法人税などについての知識も必要になりますので、注意しておきましょう。
固定資産税
固定資産税とは土地・建物にかかる税金です。毎年1月1日時点で不動産を所有していれば、固定資産税を納める必要があります。
住宅用の土地・建物は新築後の数年間は税額が軽減される優遇措置が適用されますので、不動産営業はお客様にしっかりとその旨説明し、購入意欲を高めていくことが重要です。
不動産取得税
不動産取得税は不動産を取得した際に支払う税金です。取得した際に一度だけ、納める税金となっています。
新築や増築、売買、相続などが対象となっていますが、軽減措置が適用される場合もあります。
適用される一例としては、「新築住宅で延床面積が50㎡以上、240㎡以下のもの」などです。
軽減措置が適用できる事例と共にお客様に説明しておく必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、不動産営業として特に重要な知識である不動産・ローン・税金に分けて詳しく解説しました。不動産営業は身に付ける知識はたくさんありますが、少しでも早く現場で営業を行うためには知識を身に付ける優先順位があります。
ぜひこの記事を参考に最低限の知識を身に付けると共に、信頼される不動産営業になるためには、ぜひ本などを参考に知識を深めることをおすすめします。
不動産営業として、必要な知識に興味がある方はぜひこの本記事を参考になさってみてください。
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