前編では、全世代に共通して言える、面接を成功させるためのポイントについてご紹介させて頂きました。後半では世代別に面接官が求めていることを踏まえたポイントについてご紹介致します。

※こちらの記事は後編です。前編をまだお読みではない方はこちらをご覧下さい。
【転職編】8割の人が出来てない、面接を成功させる為のポイントとは?ー前編ー

 

1.【20代向け】転職を成功させる為のポイントについて

20代(特に20代前半)が転職活動をするに、評価として、最も重要視しておいた方が良いポイントは、過去の経験からどれだけ基礎的な能力を身に着けて来たのか?即戦力化できる可能性はあるのか?という点です。まだまだポテンシャルを重要視して採用される傾向にはありますが、20代後半にもなると、希望する企業の採用要件や就業したいポジション等によっては、即戦力になるか?というのを、問わせる可能性もありますので、転職を希望している企業と職種やポジションに対応できるように準備しておくこともポイントとなります。


1-1.自分が積み重ねてきた「ベーススキル」とプラスアルファのスキル語れるようにしておく

自らの経験でどの会社でも当てはまるスキルである「ベーススキル」については、どれだけその力が身についているか?それはなぜか?というのを説明できるようにしましょう。
経済産業省が作成したレポートを見てみると、下記のような力を社会人基礎力であると定義しています。この社会人基礎力は、本記事冒頭の「ベーススキル」にそのまま当てはめて考えることもできます。

①前に踏み出す力 (アクション)
 主体性:物事に進んで取り組む力
 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
 実行力:目的を設定し確実に行動する力

②考え抜く力 (シンキング)
 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
 創造力:新しい価値を生み出す力

③チームで働く力(チームワーク)
 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
 情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
 ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

参考)経済産業省:https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

これらの基礎スキルに対して、なぜ、その各スキルがそれぞれ身についているのかを、具体的なエピソードをセットで語れると、より説得力が増す説明となり、あなた独自の強みとなりますので、考えてみましょう。

例)事務職でしたが、社内で新しい労務管理システムの導入に従事しました。しかし、初めはまったく社内メンバーに取り組んで貰えなかったのですが、メンバーに、取り組んで貰えない理由をヒアリングしたところ、「朝の開始時間はみな自分のタスクの整理に時間を取られてしまい、なかなか、意識が向かない」との事でした。そこで、自社で管理している別手動で行う勤怠管理システムのすぐ横に労務管理システムを置きました。すると、活動率が80%改善しました。ここで、「課題解決力」とそもそも相手から意見を引き出す「傾聴力」を身に着けました。

また、上記の「ベーススキル」だけでなく、自分だけの経験で得た、特別なスキルをがあると感じたら、躊躇なくそれを自分のモノとして、主張できるようにしておきましょう。(営業であれば、特殊な商材を取り扱った等、実際の面接で活用できるかは分かりませんが、まずは自分のスキルセットを棚卸ししてみましょう)


1-2.ベーススキルを活かしてどのように会社に貢献できるか?貢献したいのかを明確にしておく

スキルがある事は素晴らしいのですが、それだけでは、本当に活躍はができるのか?をイメージがしにくい場合もあります。スキルを使って、どのように活躍して成果を上げていけるのか?まで、詳細に話すことが出来ることがポイントです。
面接者は、応募者の携わってきてた業務や、スキルが分かったとしても、採用には至りません。得たスキルを、応募者がどのように活かしたいと思っているのか?と、それはなぜか?がとても重要だからです。例えば、「自分は営業でMVPを取りました、売り上げる能力があるので、マネジメント職につきたいです」となっても、確かに、売るスキルはあるけど、マネジメント能力があるのか?というのが問われるからです。採用面接する側としては、「この人は、本当に自分のスキルを活かしたいと思っているのかな?」と疑問になってしまいます。もしも、本当はやりたい仕事があるけど、今スキルを活かせないとしても、「今は売る力を最大限発揮しますが、いずれは、マネジメントにチャレンジしてみたいと思います」等、自分のスキルが不足していると判断できる場合には、率直にチャレンジしたいと伝えましょう。
※但し、先の全年代共通の項目でも記載した通り、転職希望先の企業が、「マネジメントスキル」を求めている場合には、例え経験がない場合でもマネジメントに関わるスキルを身に着ける機会があったかを振り返ってみましょう


1-3.20代転職希望者のポイントまとめ

20代転職者用のチェックリストを作成しましたので、活用してみてください。

■基本的な方針
・自分の「軸」を明確にする
・入りたい企業がどんな人材を求めているかを調べる
・なぜ?自分は選ばれるのか?を明確にしておく

■20代向けの特別対策ポイント
・自分が積み重ねてきた「ベーススキル」とプラスアルファ語れるようにしておく
・それらのスキルを活かして、どのように会社に貢献していきたいのかを説明できるようにしておく

 

2.【30代向け】転職を成功させる為のポイントについて

30代は「即戦力」としての評価を受ける年代です。自ら積み上げてきた、「ベーススキルはもちろんですが、「なぜ、即戦略といえるのか?」「リーダーとしてのマネジメント能力はどうか」というのが、非常に大切になります。

 

2-1改めて自己分析をしてみる

30代になると、基本的なビジネススキルや、専門的なスキルが身についてきて、20代の頃よりは、自分に自信が持てる年代かと思います。しかし、時としてその自信が転職する際のボトルネックになってしまう場合があります。例えば、客観的に自分のスキルが見合わず、今の年収をさげないと、その企業に転職できないという事が分かった時、「年収を下げてまで本当に自分がやりたい事なのか?」を明確にしないと、そもそもの転職活動に意味を見いだせなくなってしまう場合があります。ある程度経験を詰んで、自分のやりたいこと、できること。の輪郭が見えてきた30代だからこそ、今一度、自己と向き合ってみて、自分の希望を言葉にできる事が大切です。


2-2.自らの経験や得てきたスキルをどのように活かすのか具体的に説明できるようになっておく

30代は、キャリアを積み重ねてどんなスキルを得たか?という具体的な説明できることががとても重要です。自分が面接官になったつもりで、「相手だったら、自分にどのようなスキルを求めているのか?」「自分はどんなスキルが提供できるのか?」「それはなぜか?」キチンと説明出来るようにしておきましょう。自分ではどうしても難しい場合には、特定の業界に精通した転職エージェントを通じて、面接の対策として模擬面接を依頼するのもいいかも知れません。


2-3.30代転職希望者のポイントまとめ

■基本的な方針
・自分の「軸」を明確にする
・入りたい企業がどんな人材を求めているかを調べる
・なぜ?自分は選ばれるのか?を明確にしておく
■30代向けの特別対策ポイント
・改めて自己分析をしてみる
・自らの経験や得てきたスキルをどのように活かすのか具体的に説明できるようになっておく

 

3.【40代向け】転職を成功させる為のポイントについて

 

3-1.自分の武器を把握しておく

40代の転職者は、何といっても、20代、30代と比べて豊富な経験や知識が売り出しポイントになります。これまで培ってきた経験を活かしてどのように転職先の会社へインパクトが出せるか?を説明できることがポイントです。また、自分自身の成果だけでなく、マネジメントによって、管理する組織に対してどのように貢献できるのかを説明できることもポイントとなります。

 

3-2.転職希望企業が自分を採用するメリットデメリットを把握しておく

40代ともなると、周りの社員への影響が大きいでしょう。採用する側からすると、「もし、期待していた以上のスキルがない場合にはどうしよう・・・・」や、過去の成功方法にとらわれていたり、組織にカルチャーフィットしなかったらどうしよう・・・等、面接官も、経験豊富な40代応募者に対して、大きな期待を寄せながらも不安を抱えていることでしょう。20代、30代の応募者と比較しても、給与も高く、採用に対してに具体的なリターン(成果)を求められるのは、応募者はもちろん、面接官にとってもプレッシャーになります。自分が採用された場合の、面接官が想定するであろうデメリットを把握しておく事によって、面接時、デメリットを上回るメリットを提供できるか、デメリットが発生する可能性が低い事をアピールするのか?がはっきりとして、効果的な面接対策ができるでしょう。

 

3-3.40代転職希望者のポイントまとめ

■基本的な方針
・自分の「軸」を明確にする
・入りたい企業がどんな人材を求めているかを調べる
・なぜ?自分は選ばれるのか?を明確にしておく
■40代向けの特別対策ポイント
・自分の武器を把握しておく
・転職希望企業が自分を採用するメリットデメリットを把握しておく

 

4.まとめ

全世代に当てはまるポイント、20代転職者に当てはまるポイント、30代転職者に当てはまるポイント、40代転職者に当てはまるポイントについて解説しましたが、何に重要点を置いて準備をするかは、各年代別に少々に異なると考えています。
しかし、本質的な転職のポイントは一緒で、「あなたは何を望んでいて」「転職先企業はあなたに何を望んでいて」「なぜ、あなたは採用をされるのか」というのを、紐解いて行くと良いでしょう。また、自分1人で振り返ることはどうしても難しいという方もいらっしゃるでしょうから、そういう方には、転職エージェントを活用して、第三者的なフィードバックをることをお勧めて致します。(ここから、リアルエステートワークスに移行する導線を準備するかは検討)