賃貸仲介のお仕事に興味をお持ちでしょうか。
本記事では、賃貸仲介がどのような仕組みで、具体的にどのように仕事に取り組み必要があるかなど解説しつつ、気になる平均年収や賃貸仲介に転職するメリット・デメリット、向いている人などご紹介していきます。
賃貸仲介や不動産業界への転職を考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。

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賃貸仲介はどんな仕事?

賃貸仲介はどのような仕事なのでしょうか。

ここでは、以下の2つに分けて解説していきます。
・賃貸仲介の仕組み
・賃貸仲介の具体的な仕事内容


 

賃貸仲介の仕組み

賃貸仲介は、賃貸アパートやマンションなど所有しているオーナーと、住みたい部屋を探している人の間に立って仲介を行う仕事です。
オーナーから物件を預かり、部屋を探している人に物件を案内するなどして、物件を気に入って貰ったら賃貸契約を結びます。

最終的に、賃貸契約が成立したら、オーナーと入居者双方から仲介手数料を受け取ることができます。
賃貸の仲介手数料の相場は「家賃の0,5カ月~1ヶ月分+消費税」です。
例えば、家賃10万円の物件であれば5万円~10万円+消費税を受け取ることができます。
なお、オーナーか入居者のどちらにも別々の仲介会社がつくケースもあり、この場合は仲介についた側からしか仲介手数料を貰えません。
ちなみに、賃貸の仲介はオーナーと入居者の双方から受け取る仲介手数料の上限が「家賃の1ヶ月分+消費税」を超えてはならないとされています。

その他、物件によっては、オーナーさんとの交渉次第で上記仲介手数料とは別にAD(広告料)を受け取れるケースもあります。
AD(広告料)については仲介手数料のように上限が定められていません。

 

賃貸仲介の具体的な仕事内容

賃貸仲介の具体的な仕事内容としては以下のようなことが挙げられるでしょう。
・物件情報の仕入れ
・広告業務
・案内業務
・契約業務


まずは案内する物件を用意しなければなりません。
具体的には、物件を所有するオーナーや管理会社に営業をかけて、物件情報を仕入れることになります。
また、物件情報は日々更新されるため、営業の結果、案内できるようになった物件についても、定期的に現在の状況を確認する必要があるでしょう。

次に、物件を探している人に向けて広告を打ったり、興味を持ってくれた人に対して案内したりします。
具体的には、大手不動産情報サイトや自社HPに物件情報を掲載するなどすることになるでしょう。
前者の場合は掲載するのに費用がかかるため、費用対効果を見極めなければなりません。

物件情報を見て興味を持った人から、メールや電話などで問い合わせを受けたら、案内日程を調整し、当日の案内まで行います。
案内するときは、ただ案内するのではなく、どのような物件を探しているのかを見極める必要があるでしょう。
案内した物件が気に入らないようであれば、要望に合った別の物件を紹介するなどします。

最後に、物件を気に入って契約となった場合、契約業務まで行います。
重要事項説明書や契約書を準備し、事務所に来てもらい、契約を結ぶのです。

賃貸仲介の仕事は最後の契約まで行って初めて報酬を受け取れる仕事です。
実際に契約してもらうまでは、いつ心変わりするか分からないもの。
最後まで緊張感を持って仕事に取り組むことが求められます。

 

賃貸仲介の平均年収

賃貸仲介に興味を持っている人は、賃貸仲介の仕事でどの程度の年収を貰えるのか気になるという方も多いでしょう。

求人ボックス 給料ナビのデータによると、不動産仲介の平均年収は416万円となっています。
国税庁のデータによると、令和3年の日本の平均年収は443万円のため、不動産仲介の平均年収は日本の平均よりやや低いという結果となっています。

賃貸仲介の給料は、基本給とは別に業績に応じたインセンティブを貰える形が一般的です。
具体的な歩合率は会社により異なりますが、例えば、お客様から受け取った仲介手数料のうち20%を給料として受け取れる場合、家賃10万円の物件の契約を決めて10万円の仲介手数料を受け取ると、2万円分を報酬として受け取れることになります。
1件あたりの報酬は少ないと感じるかもしれませんが、賃貸仲介の場合は1ヶ月に10件以上など契約を上げることも可能で、積み重ねていくことが大切だといえるでしょう。
また、オフィスの賃貸仲介などの場合は1件あたりの報酬を大きくすることが可能です。

 

賃貸仲介に転職するメリット

賃貸仲介に転職するメリットとしては以下のようなことが挙げられるでしょう。
・比較的安定しやすい
・飛び込み営業しなくてもよいことが多い
・平日に休める

それぞれ解説します。

 

比較的安定しやすい

賃貸仲介は不動産営業職の中でも歩合より基本給が手厚く設定されているケースが多いです。
また、歩合給が高く設定されているケースであっても、売買仲介などと比べて契約のハードルが低いため、一定の成果を残しやすく、安定しやすいといえるでしょう。
毎月安定した給料を得ていきたいという人におすすめだといえます。

 

飛び込み営業しなくてもよいことが多い

近年では、賃貸仲介の反響の多くはインターネットから、ということが多くなっています。
また、物件を探している方から連絡を受けて案内を開始するのが一般的で、飛び込み営業など不要なことが多いです。
一方、Webマーケティングの施策についてはしっかり行う必要がある点には注意しなければなりません。

なお、上記は対入居者側に関してのことで、例えばオーナーさんから物件を預かるための営業活動を行う場合には、こちらから営業をかけなければならないこともあります

 

平日に休める

賃貸仲介の仕事は、お客様が休みであることの多い土日に忙しくなります
このため、土日は仕事で水曜日が休みとなっているのが一般的です。
また、週休2日制を取っている会社の場合は、水曜日以外にも前後の火曜日や木曜日が休みになっていたり、シフト制で平日に休める形になっていたりすることが多いでしょう。
このように、平日休みの場合は休みの日にお出かけしても混まないといったメリットがあります。

 

賃貸仲介に転職するデメリット

一方、賃貸仲介に転職するデメリットには以下のようなことがあります。
・大きく稼ぎにくい
・営業力をつけにくい
・土日に休めない

それぞれ見ていきましょう。

 

大きく稼ぎにくい

賃貸仲介の仕事は歩合給制が取られていることが多いですが、基本給の割合が高くなることが多くなっています。
基本給の割合が多いと、安定した給料を得やすいですが、一方で成果を挙げても高い給料を得ることは難しいものです。
また、賃貸仲介は売買仲介と比べると1件あたりの成約単価が低いため、仮に歩合の割合を高くしている会社であったとしても、大きく稼ぐことは難しいといえるでしょう。

 

営業力をつけにくい

賃貸仲介の仕事は、インターネットから反響を得てから対応することが多く、営業の側から積極的に提案する機会は多くありません
また、売買仲介と比べると1件あたりの価格が低いこともあり、これらのことから、営業力をつけにくくなっているといえるでしょう。
将来独立したいといった方や、より稼げる仕事をしたいという方は、別の仕事が向いているかもしれません。
もちろん、賃貸仲介の仕事であってもオフィス仲介や高級住宅地など取り扱っている物件次第では高い営業力が求められるケースもあります

 

土日に休めない

賃貸仲介の仕事は、先述の通り土日に忙しく、水曜日など平日が休みとなっているのが一般的です。
例えば、お子様がいる場合だと、土日に子供と一緒にお出かけできない点などデメリットとなるでしょう。
また、なにかイベント事がある場合でも、土日にお客様とのアポが入ることが多く、有給休暇を取りにくいといった点には注意しなければなりません。

 

賃貸仲介の仕事が向いている人

賃貸仲介の仕事が向いている人としては、以下のような人が挙げられます。
・安定した生活を送りたい人
・Webマーケティングが得意な人
・休みの日にお出かけすることが多い人

それぞれ解説します。

 

安定した生活を送りたい人

賃貸仲介は業績によらず安定したお給料を得やすく、安定した生活を送りたい人におすすめだといえるでしょう。
特に、人と会話するのが好きで、事務系の仕事ではなく営業系の仕事で安定した給料を得たいという人が向いています
営業系の仕事は、厳しく数字を求められるものですが、賃貸仲介は単価が低く、また飛び込み営業などしなくてもよいことが多いといったメリットがあります。
また、不動産業界は衣食住の「住」を扱う仕事であり、業界用語などが多く、不動産業界に長年勤めていれば将来、同じ不動産業界内で転職しやすいといった点も安定しやすい理由として挙げられるといえるでしょう。

 

Webマーケティングが得意な人

賃貸仲介の仕事で求められる能力の一つに、Webマーケティング能力が挙げられます。
どちらかというと泥臭いイメージのある不動産業界の仕事なので、Webマーケティング能力が求められるということに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
すでにお伝えしたように、近年では賃貸物件を探している人の多くはインターネットを使って物件を探すため、賃貸仲介の側にもWebマーケティングの能力が求められるのです。
普段からSNSに触れている人や、自分でブログやホームぺージを制作したことがあるといった人に賃貸仲介の仕事はおすすめです

 

休みの日にお出かけすることが多い人

賃貸仲介の仕事は平日休みのため、お休みの日に外に出かけることが多いという方におすすめだといえます。
平日であれば商業施設や観光地に遊びに行っても、混雑していて満足に遊べなかった…といったことは少なくなるでしょう。

 

まとめ

賃貸仲介の仕事について、仕事の仕組みや平均年収、メリット・デメリットや向いている人などお伝えしました。
賃貸仲介の仕事は、不動産業界の中でも比較的安定した給料を得やすいという特徴があります。
一方で、売買仲介などと比べると大きく稼ぎにくいといったことには注意しなければなりません。
賃貸仲介や不動産業界への転職を考えている人は、本記事でご紹介した内容を参考に、ご自分がどのように仕事に取り組んでいきたいか考えたうえで、転職活動に活かしていただけたらと思います。


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