転職活動をする際には、何かしらの対策を取る方が多いと思います。その際に、転職アドバイザー等を利用して面接対策を取る方も多いのではないでしょうか。では、実際に採用担当者がどんな点を見ているか。その疑問について、今回は不動産業界で人事をしていた筆者が答えていきます。今回ご紹介するポイントを抑えて、対策を練っていきましょう。
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1:不動産業界で活躍できる人の特徴は?
では最初に、人事担当者、採用担当者が考える「不動産業界で活躍できる人」がどんな人であるかを紹介していきましょう。もちろん、ここでご紹介する人以外は難しいということではなく、活躍できる人の傾向をご紹介していきましょう。
1-1.仕事を楽しめるか
どんな仕事でも同じことが言えますが、「仕事を楽しめるかどうか。」これがとても重要なキーワードとなるのが、不動産業界です。なんだか簡単そうに思えますが、実は少し難易度が高いテーマです。というのは不動産を扱うということが理由です。
多くの不動産会社でテーマとしている「仕事を楽しめる」ですが、お客様が日々過ごす空間を提供すること、新しい空間での生活を楽しめるように、ワクワクしてもらえるためには、働いている人がお客様へのサービスを楽しんで提供できるかがとても重要だと考えています。
意外と思う方も多いのではないでしょうか。実際に、「接客中に、必ず一度はお客様を笑顔に。」というテーマを接客の基本にしている会社も多数あるのが不動産業界の特徴です。
1-2.自己成長を望むか
不動産業界では、他の業界と比較して格段に自己成長を望む人が求められています。他の業界でも自己成長を望む声は多数ありますが、不動産業界での自己成長の必要性は業界における様々な変革に起因しています。未経験で勤務を開始した場合には、日々の業務に加えて「宅建士」の取得に向けた勉強が必要でしょう。それだけではなく、不動産を扱う上では数多くの法律やルールを理解していく必要性があります。
例えば、賃貸の物件について駐車場に消費税がかかりますが、部屋自体には消費税はかかりません。こうしたことは、不動産業界に勤める前であれば知らない(意識していない方)が多いのですが、不動産業界で勤務をするとなれば知っていて当たり前の知識になります。
また、いくつの物件数を把握しているか。これも、不動産営業として成功する上では必須の項目です。日々増える取り扱い物件を、人よりも、他社よりも知っているか。自分の引き出しとして、お客様にご紹介できるかは日々の努力以外の何物でもありません。日々歩いている中で気になる物件があれば調べてみても良いかもしれません。
1-3.夢を語れるか
「夢」。
不動産業界では、多くの方が取引金額の大きな不動産売買の取引を担当していきたいと思っているかと思います。しかし、ただ不動産売買の取引を担当していきたいではなく、その先には、自分自身が家を持ちたい等の夢を持つことも大事です。
例えば年収1,000万円以上稼ぎたいでもいいですし、独立したいでもいいと思います。ちなみに、不動産業界は独立しやすい業界でもあると言われており、将来独立を目指すからこそ不動産業界に飛び込む人も多くいます。そうした環境の中で、自分自身の夢を持ち続けて実現に向けて行動できるかどうかが大切になっていきます。
2.採用担当者が見ているポイントとは?
では、より具体的に採用担当者が見ているポイントをご紹介していきましょう。
2-1.企業分析のレベル
これは、どんな企業でも求められていると思いますが、特に不動産業界をどう思っているのか。そして、面接を受ける会社をどういう基準で選んでいるかを確認していきます。不動産賃貸においては、市場の95%は同じ物件とされているだけに面接を受ける企業の特徴をどう理解し、そこでどういった働き方をしたいかという点をヒヤリングしていきます。
ここで、具体的なプランを話せないという場合には、ここから探していきたいという思いを素直に伝えることも大事です。
2-2.聞く力
不動産業界で伸びる人材は、必ずしも話上手でなければならないという固定概念はありません。
不動産を取り扱う店舗に訪れる人は、洋服を見るようなウインドーショッピングをしたい人は基本的に居ません。家を探す、土地を探す、買うなど何かしらの目的を持っています。つまり、いかに話を盛り上げられるかよりも、要望を聞くヒヤリング(傾聴)力が最優先です。そこで採用担当者は、こちらの話を真摯に聞き、それに対して最大限に応えようとする姿勢や、採用担当者が質問した内容に対して的確に回答ができているかを見ています。
2-3:向上心
もう1つご紹介したい採用担当者が見ているポイントですが、採用担当者が面接で見ているのは向上心です。宅建士の資格を保持する為に努力をする人。同じ物件を扱うのであれば、自社、自分を選んで頂くための努力をする人。何にしても、新しい環境の中で、自己成長に向けての努力を惜しまない人を望んでいます。また、決して不動産業界経験者でなければいけないという思いは採用担当者にはあまり無いということも理解しておくと良いでしょう。
3:内定が合格ではないということを理解する
不動産業界にチャレンジをする時、「内定=ゴール(最終到達点)」であるとは思わないでください。採用担当者の最終的な合否は、入社後3年程度が経過した時に判断しています。未経験、経験者関係なく、入社後にどう努力されているか、3年間でどれくらい成長しているかを見ているということです。特に宅地建物取引士は、年に一度の試験です。その宅地建物取引士を取ることで、企業に対して努力している、成長意欲があるということを伝えることができるでしょう。入社時期によれば初回の試験が入社後ほぼ1年後になることもあります。宅地建物取引士は業務に関わる問題も出てきますので、入社してから試験までの間に、新しい職場環境で様々な業務工程を理解し覚えていく中で宅地建物取引士に必要な内容も覚えられるようになってくるかもしれません。
同時に、不動産業界におけるリピーターが戻ってくるサイクルはアパレル業界に比べ長期に渡ります。また不動産という高額商品が故に、人の口コミが重要視される点は他の業界よりも格段に評価される業界です。というのも、安心して自分が住む場所を見つける。決めるということは、信頼度の度合いにより大きく変っていくからです。
採用担当者が見ているのは、最終的に内定し入社して頂いたとして、この方が入社後にどう働いてくれるかという長期的な視点だということです。その人が自社に入社することで、自分たちのお客様をどう喜ばせれるかであったり、会社に対してどのようなメリットがあるのか、そして店舗の運営にどう関わってくれるかということです。
4.まとめ
今回ご紹介している内容は、不動産業界だけに該当することではありません。他の業種業界にも通じることが多々あります。
その中で不動産業界の採用担当者は、顧客の一過性の満足度ではなく長期的な快適さを求める上での人選をしていることを理解してください。どんな業界に転職をするとしても、転職し企業に働き始める事はゴールではありません。あくまで通過点として、自社におけるその人の活躍を想定し見極めをしています。ここ最近では、年齢層の若い方の多くもチャレンジをする不動産業界ですが、年齢に関係なく活躍する環境があるのもこの業界の特徴です。
営業という仕事を極めたい方、いずれ独立を目指す方も、一度は不動産業界という大きな視点、そして、各不動産業会社の特徴について企業分析をしていきましょう。憧れだけではなく、実際の取り扱い商品の違いや勤務している年齢層等、内定がゴールではなく3年、5年それ以上と働き続ける企業であるかどうか。これが、企業選びの基本という点は、いつでも変わることはありません。そして、採用担当者はこの部分をより具体的にしている人を採用し仲間にしていくことを希望しているのです。採用担当者の心理を踏まえ、面接対策をしていきましょう。
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