株式会社カルチャリアは、転職して1年以内の会社員107名に対し「転職における心理的安全性」の実態調査を実施した。

「心理的安全性」が確保されている状態とは、主に会社などの組織において、各自が自身の考えや気持ちを心理的な負荷なく誰にでも発言できる状態を指す。

この「心理的安全性」が大切であることはよく聞かれることだが、実際に「心理的安全性」のある環境を保つのはなかなか簡単ではない。一方で同調査によると、現職を離れるかどうか、また新たな転職先としてその職場を選ぶかどうか判断するにあたって、「心理的安全性」の有無が非常に重要であることがわかる。

詳しい調査結果は以下の通りである。
 

回答者の約半分が、前職は正直に話しやすい環境ではなかったなどと回答



同調査では社員の「心理的安全性」に関わる環境要素について、回答者が前の職場でどのように感じていたのかについて、いくつか質問された。

最初の「前職において、あなたが所属する事業部では、役職に関係なく、スタッフ同士が正直・オープン・率直に話すことができる雰囲気があったと思いますか。」という質問に対しては、回答者の28.0%が「あまりそう思わない」、15.0%が「全くそう思わない」と回答し、合わせて全体の半分弱となった。

また、「多様な考え方や視点が推奨されていたか」という質問に対しては計48.6%が「推奨されていたと思わない」と回答。

半数近くの人が前職において、会社の従来の考え方とは違う意見を伝えたり、役職を超えて正直な話をしたりすることに、抵抗を感じていたようだ。


また「前職において、あなたが所属する事業部では、上司や部下同士でデリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話をすることができたと思いますか」という質問に対しては、「あまりそう思わない」と回答した人が37.4%、「全くそう思わない」と回答した人が21.5%と、合わせて全体の半数を超えた。

同様に「前職において、あなたが所属する事業部では、上司や部下同士がお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができていたと思いますか。」という質問に対しても、「あまりそう思わない」が34.6%、「全くそう思わない」が20.6%という回答となった。

職場で意見の多様性が認められていたと感じていた人の中でも、デリケートな話や各自の弱みを共有する機会がない、またそのような踏み込んだ話をする「心理的安全性」がないなどの課題を感じていた人がいるようだ。

また前職で「前職において、あなたが所属する事業部では、心理的安全性を上げる取り組みを行っていましたか。」という質問に対しては、「あまり取り組んでいなかった」が33.6%、「一切取り組んでいなかった」が23.4%という回答となった。
 

8割以上が職場選びにおいて「心理的安全性」を重要視。そのうち68.5%は「心理的安全性が高ければ転職をしなかった」と回答


同調査では転職と「心理的安全性」の関係について質問もされた。

「あなたは職場を選ぶ上で、心理的安全性をどの程度重要視しますか。」(n=107)という質問に対して、31.8%が「非常に重要視する」、51.4%が「やや重要視する」と回答し、非常に多くの人が職場に「心理的安全性」を求めていることがわかる。

実際に前職から「心理的安全性」が高いことの重要性を感じた人が多いのかもしれない。

またこの質問で「非常に重要視する」「やや重要視する」と回答した全体の83.2%の人に、「あなたは前職において、心理的安全性が高ければ転職をしなかったと思いますか。」という質問をしたところ、「かなりそう思う」が23.6%、「ややそう思う」が44.9%という回答となった。

「心理的安全性」が離職を防ぐためのカギにもなりうることがわかる。

人材不足が懸念されている中、現在いる社員の定着率を上げ、新たな人材をも惹きつけるためにも、社内の「心理的安全性」を見直してみるのはいかがだろうか。

■調査概要
・調査概要:「転職における心理的安全性」の実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2022年1月24日〜同年1月26日
・有効回答:転職して1年以内の会社員107名

参照:PRtimes