株式会社学情は、企業の人事担当者を対象に「働き方改革」に関するアンケートを実施し、結果を公表した。近頃では多くの若者が「働きやすさ」を重視すると言われ、日本全体で「働き方改革」という言葉が浸透するようになった。

実際にこの「働き方改革」は各企業でどの程度実施されているのだろうか?調査の結果は、以下の通りのようだ。
 

企業の7割が「働き方改革」を実施。「有給休暇取得の奨励」に取り組む企業が最多


調査に回答した約400社に「働き方改革の取り組み状況」を聞くと、64.3%が「全社的に取り組んでいる」、9.1%が「部署、期間などを限定し、試験的に取り組んでいる」と回答し、合計して7割以上の企業が何らかの形で「働き方改革」を実施していることがわかった。また「具体的には実施していないが、実施計画はある」と答えた企業が8.6%であった。

「働き方改革」が言葉だけでなく、実際に取り組みとしても浸透してきているようだ。

また実際に「働き方改革」として取り組んでいることについて聞くと、「有給休暇取得の奨励」が最多で87.2%の企業が取り組んでいると回答した。次いで「時間外労働(残業)の削減」80.0%、「長時間労働の是正」73.8%が続いた。

長時間労働が当たり前と言われた一昔前に対し、労働時間をなるべく削減しようという動きが多くみられる。実際に休暇を増やし労働時間を減らすことで、「生産性が高まった」「社員の年収が上がった」「離職率が下がった」などの声が上がった。
また「テレワークの実施」と回答した企業は57.2%に上り、コロナ禍の影響も見られる。その結果「特に女性の応募者が増えた」「高度なスキルを持つ人材など、優秀な人材を採用できるようになった」といった声もある。
 

経費削減や採用の課題解決よりも、「社員の定着」が狙われる


最後に「働き方改革」の推進によって解決を期待している課題は何かを聞くと、「社員の定着における課題」が51.0%に上り、過半数を占めた。働く環境を整えることで特に若い世代の離職を防ぎ、生産性を上げることで、最終的に顧客満足度向上を図りたいと考える企業が多いようだ。

次いで19.3%が「経営における課題」、13.4%が「採用における課題」、9.0%が「経費削減における課題」、7.2%が「業績拡大における課題」と回答した。

多くの企業が「働き方改革」に取り組むことで、社員にとっても働き方の選択肢が増えているといえるだろう。以前に比べて転職もしやすい世の中になってきている中、各企業で働き方の見直しがさらに急がれる。

■調査概要
・調査対象:企業人事担当者
・調査方法:Web上でのアンケート 
・調査日:2022年4月19日~4月22日
・有効回答数:397件

参照:PRtimes