※こちらは後編になります。前編を読んでいない方は先にこちらをお読みください。

【前編】恋愛と不動産営業の仕事は同じという極論が、まんざら嘘でもないという話(渾身の説明付き)

 

 

相手からヒアリングした内容とこちらの提案の「つながり」が必要

上司がよく使っていた言葉は「後出しジャンケン」をすること。顧客が何を出したかを確認(ヒアリング)してから、はじめてこちらも出す(提案)。その逆をやったら負けてしまう=失注してしまう確率が高まるというのである。そして、ヒアリングした顧客のニーズに対して、提案はそのニーズにリンクしているもの、ニーズを解消するものにしなくてはいけない。
 
恋愛で言えば、お気に入りの女性に好きな食べ物をヒアリングをして、その答えがもし焼き鳥だったら、焼き鳥デートに誘う提案をする、という具合だ。

こちらが先に提案をするのではなく、先にヒアリングをして、相手のニーズに合った提案をする。当たり前のように思えるが、経験があまりないと意外と提案を先にしてしまう人が多い。
 
不動産営業で言えば、ヒアリングをして顧客のニーズが把握できても、万が一自社商品でニーズにあった商品(提案)が無ければ、代替品を持ってくるか、説得するか、諦めるか、となるだろう。ニーズに合ったものを商品として持っていたら購入してもらえる可能性が高くなる。
 
必ずヒアリングした内容(顧客ニーズ)とこちらからの提案が繋がっていなくてはいけない。繋がっていれば成約確率が上がり、繋がっていなければ「この営業、私の要望をわかっていない」ということになってしまうからだ。
 
必ずヒアリングして顧客のニーズを把握したら、こちらの提案がその顧客のニーズを解消するようにリンクさせる(つながりを持たせる)ように心がけよう。
 
実はこれができない人が多い。告白しなきゃお付き合いは始まらない!
 
恋愛で気になっている女性とデートを重ねたり、コミュニケーションを取り続けていくと、たくさんのヒアリングができてその女性の性格・好きなこと・嫌いなこと・興味・夢など幅広い情報を得ることができるだろう。
もし、それらにおいてお互いの共通点があったり、逆に彼女が持っていないものを補完できるものをあなたが持っているとすれば、適切な自分自身のアピールもできるようになる。「提案」は何もデートのお誘いだけではなく、相手に好きになってもらうようなアクションも含まれる。

 

告白 = クロージング

そして、大変重要なイベントが「告白」だ。これをしないとお付き合いは始まらない(私の友人夫婦でお互い告白もプロポーズもせずに結婚している人もいるが、なかなか通じ合っていないとそうはならないだろう笑)
 
何度もデートを重ねているのに、告白するタイミングが遅過ぎたり、逆に出会ってすぐ告白してしまうのも「お付き合い」という成約を得るために失敗する確率が上ってしまう。それでも告白しないよりはマシだ。これは私の持論かもしれないが、早過ぎる告白はまだいいほうだ。遅すぎる告白や告白をしないというのが最もタチが悪い。
 
不動産営業でよく未経験者や若手の新人営業がやってしまうのがコレだ。顧客ニーズをヒアリングした後に、ニーズに合った自社の商品説明(マンション・戸建てなど)でウリや特徴などのポイントを提案するところまではできる人も多い。一方、恋愛で言う告白にあたるクロージング、特に「テストクロージング」ができない人が非常に多い。私達にとって告白することがとても勇気がいるプロセスであるのと同じように、不動産営業の「テストクロージング」の瞬間はとてもドキドキするし、緊張感が伴う。そして怖くてこれができない人が多い。
 
テストクロージングとは、一言で言えば「顧客の購入意思を確認すること」だ。最もダイレクトな言葉でするテストクロージングは顧客に対して「ご購入いただけそうですか?」というもの。
 
通常、「クロージング」とは資金計画作成やローン支払いシミュレーションなどを用いながら、成約に向かって進めていくプロセス全体を指す。ここはそこまで緊張しない。一方「テストクロージング」はどちらかというと顧客にダイレクトに「買っていただけますか?」と聞くのに近いのだ。緊張の瞬間だ。これは私の経験上、大胆な性格の営業、感覚がズレている営業、天然の営業、空気が読めない営業にとっては当たり前にできるのだが、小心者タイプや繊細系や普通の常識がある営業にとってハードルが高くなるものなのだ。


そして、そのタイミングもとても重要だ。顧客がモデルルームに来ていきなり「購入していただけそうですか?」と質問したら、面食らうか怒らせてしまうだろう。恋愛で言えば、初対面の時にいきなり「付き合ってください」と言うのと同じだ(笑)


ただ言わないよりは良い。一番ダメなのは告白しない=テストクロージングしないことである。必ず買っていただけそうか、商談の最後に聞くようにしよう。買っていただけないという回答がきたら、なぜか?もしくはどうしたら買っていただけるか?を聞けばよい。その時に顧客の不安・不満・誤解などが出てくるはずなのでそれが解消できるようなら、購入いただける確率は上がるだろう。

 

出会いからお付き合いまでは本当にじっくりが良いのか

最後に、よくこの手の話をすると「マンション営業などは高額な商品のため、じっくり考えて購入していただくので、恋愛に近いかもしれないが、はじめて商品を見てからすぐに購入するのと違って、恋愛は長い期間お互いを知ってからではないと成就しないと思う」という意見をもらうことがある。もちろん、そうとも言えるだろう。
 
恋愛も不動産営業も、初回接触からヒアリングまでの間に何度も対面したり、時間を共有する必要はあるかもしれない。それはあなたがどのくらい早くその人とお付き合いしたいか、もしくは営業であればどのくらい早くその人に商品を買っていただきたいかに関係する。なので、じっくり進めたければ、それはそれで良い。
 
ただし、気をつけてほしいことがある。
恋愛であれば、極端な話、自分が時間をかけすぎている間に、誰かがその女性にアプローチをしてしまって、他の誰かとその女性のお付き合いが始まってしまったらどうだろう。
 
「もっと早くアプローチをしておけば良かった」と大きな後悔をするはずだ。もちろん、時間をかけてじっくり信頼関係を築いていくことは大切だ。ただしその時間が長くなればなるほど、ライバルの男性が現れて大好きな人を奪われてしまう確率も高くなってしまうかもしれない(ちょっと私は危機意識が強過ぎる傾向があるが笑)
 
不動産営業に関してもそうだ。お客様には予算というものがある。特に商品が不動産のように高額なものだと、食材や文房具や洋服などと違い「あれもこれも買ってしまおう」ということができない。大体「この物件を買う」となったら、ほとんどもう一つ別でも買うということはない。これも恋愛と同じだ。
 
一度自社で成約したらすぐに競合物件を買うことは無いが、チャンスを失って競合物件を先に買ってしまったら、しばらくは自社の物件をご購入いただくことはまず難しい。(恋愛のほうが、まだ、すぐに別れちゃうというのはあるが、不動産は買い替えとか難しいかもしれない)
 
 
いかがだっただろうか。大の中年男がここまで恋愛と不動産営業の共通点を熱く語った記事があっただろうか(笑)どこまで皆さんに伝わるかはわからないが、この世に同じものが二つとして無い人間と不動産だからこそ、また価値が高くてなかなか生涯の成約件数が少ない恋愛と不動産だからこその共通項が見て取れたのではないか。
 
奥が深い恋愛と不動産営業。ずっと大切にしていきたい2つの比較記事を残せた身として、感謝極まりない(完)