「不動産業で独立したい!でも失敗しないか不安だなぁ」
「独立に必要な手続きって何があるんだろう」

今回はそんなお悩みを解決する記事をお届けします。

不動産業で独立開業したものの、お客さんを呼び込むことができず、経営難に陥ってしまう人も少なくありません。

しかし、失敗する原因の多くは、事前準備が足りていなかったためなので、実際に開業する前にしっかりと対策を立てておけば、成功する確率をグッと近づけられます。

そこで本記事では、不動産業で独立する場合に失敗しないコツや、独立に必要な手続きについて詳しく解説します。 
 

不動産業の独立件数はどのくらい?

初めに不動産業で独立する人の件数が、毎年どのくらいあるのか把握しておきましょう。
以下のグラフは、宅建業者数の年間の推移を調査した結果です。



出典:国土交通省「宅地建物取引業者数の推移」より(令和2年10月16日発表)
グラフの開始年である平成12年には138,816社あり、その後は右肩下がりの傾向ですが、ここ6年間は再び増加に転じていることがわかります。

※詳細は以下の記事をご参照ください。
宅地建物取引業者数、6年連続の増加

不動産業界が比較的好景気であることなどが関係していると推測されます。
したがって、これから独立開業する人は、ライバルが多い中でどのようにして顧客を確保していくかが重要なポイントになります。


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不動産業の独立で失敗しないコツとは?

次に不動産業の独立で失敗しないコツについて解説します。独立を検討している人は、以下のポイントを必ず押さえておくようにしましょう。


 

資金を確保する

後述しますが、不動産業で独立するためには、開業資金を確保しなければなりません。

会社の規模にもよりますが、少なく見積もって400万円ほどの資金が必要となるでしょう。
※保証協会へ加入しない場合は、さらに多くの資金が必要です。

しかし、これはあくまで開業するための初期費用なので、開業した後に会社を経営していくためのランニングコストのことも考えておかなければなりません。

例えば、事務所の家賃や駐車場代など月々の支払いが発生するものや、営業活動に伴う費用などは、多めに見積もっておかないと、業務に支障をきたす可能性があります。

急な出費が必要になった際でも、できるだけ対応できるように、余裕をもった資金計画を立てることをおすすめします。
 

人脈を構築する

独立する前に、人脈をしっかりと作っておくことも重要です。
不動産業では会社としての信頼性が重要視されますので、ゼロからスタートして、いきなり多くの顧客と関係性を構築するのは困難です。

そのため、独立する前に不動産会社などに勤務して、ある程度の人脈を作っておくことをおすすめします。

自分が開業した時に、協力してくれそうな人や助けてくれそうな人が何人いるか、一度考えたうえで判断するのが望ましいでしょう。
 

経営者としての知識を身につける

独立開業した場合、あなた自身が代表取締役社長となり、会社を運営しなければなりません。
仮に社員数が社長一人だったとしても、社長になれば一般社員とは違った考え方が必要です。

たとえば、経理や財務の知識です。
会社の経営状況はどんな状態にあるのか、社長になれば常に頭に入れておく必要があります。

不動産営業として活躍していても、こういった仕組みについては、疎い人が多いでしょう。

独立前に実際に社長として働いている人の意見を聞いたり、書籍を読んだりセミナーを受けたりして、自分なりに知識を身につけておくことが大切です。
 

不動産業の独立に必要な手続きとは?

最後に不動産の独立に必要な手続きについて解説します。

比較的開業しやすいといわれている不動産業ですが、開業資金や事務所、宅建免許など準備すべきものはたくさんあります。
手続きに不備がないように、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。



 

宅建免許を取得する

宅建免許の取得は独立開業するための第一歩です。
宅建業法では、宅建免許を取得しなければ不動産取引を行えないと定められているため、独立開業する場合、まずは免許取得の手続きから始めるようにしましょう。

宅建免許を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。
 

  • 専任の宅建士(宅地建物取引士)の設置
  • 事務所の設置
  • 代表者及び政令で定められた使用人の常駐
  • 欠格要件に該当していないこと
  • 営業保証金の供託または保証協会への加入

 
なお、専任の宅建士は独立開業する本人でなくても、同じ会社の社員であれば問題ありませんが、5人に1人の割合で宅建資格者が必要になる点は必ず覚えておいてください。

また、事務所については個人宅を事務所として扱うこともできますので、開業当初は初期費用を減らすため、自宅兼事務所として業務を開始するのも良いでしょう。


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法人設立費を確保する

不動産会社は個人事業として開業もできますが、独立開業する人の多くは法人化しています。
法人化すると、以下のメリットが得られるためです。

  • 社会的信用が得られる
  • 節税対策に繋がる
  • 個人にかかるリスクが減らせる

 
しかし、法人化する場合、登録免除税、定款の認証手数料、収入印紙代などで約25~30万円ほどの資金が必要になります。
個人事業として行う場合は不要ですが、法人化によって得られるメリットを考えると、費用はかかりますが法人化することをおすすめします。 
 

宅建協会へ入会する

宅建協会(全国宅地建物取引業協会)への入会は義務ではありませんが、メリットがとても大きいため、多くの宅建業者が入会しています。
具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 弁済業務保証金分担金を納付することで営業保証金の供託が不要となる
  • 日常的なサポートが受けられる
  • 法務・事務・書式フォーマットが無料ダウンロードできる
  • 様々な不動産セミナーを受講できる

 
独立開業するうえで最大のメリットは、弁済業務保証金分担金の納付により、営業保証金の供託が免除される点です。

営業保証金の供託に必要な金額は、主たる事務所1,000万円、従たる事務所1ヵ所につき500万円とされているため、開業時の大きな負担となります。

一方、弁済業務保証金分担金は、主たる事業所で60万円、支店1ヵ所ごとに30万円と決められており、営業保証金と比較すると金銭的な負担がかなり軽減されます。

さらに会員間同士の交流が行われ、業者間での情報交換や人脈構築にも役立つことから、多くの事業所が宅建協会に加入しています。
※詳細は宅建協会のホームページをご参照ください。
 
なお、宅建協会へ入会するには入会金が必要です。
費用は都道府県ごとで異なりますが130万~180万円程度が相場となっています。
 

まとめ

以上、不動産業で独立する場合に失敗しないコツや、独立に必要な手続きを解説してきました。

最初に説明した通り、不動産業で独立開業する人の数は、近年増加しています。
ライバルが多い中で勝ち残っていくためには、今回ご紹介した「失敗しないコツ」を押さえ、自分なりの戦略を立てたうえで臨む必要があるでしょう。

また、独立開業のための手続きに不備がないように、前もって必要資金や宅建協会への入会方法などを把握しておくことも重要です。

社長として会社を経営していると、大変なことも多いですが、一社員として働く時とは違ったやり甲斐を感じられます。

自らの力で会社を経営したいと思っている人は、本記事を参考にしていただき、しっかりと対策を立てたうえで独立を目指してください。
 

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