突然ですが、歩けばすぐ見つかるイメージの多いコンビニエンスストアは全国で何店舗あるかご存知でしょうか?2023年5月末時点の数字となりますが、コンビニエンスストアは全国で57,978店舗となっております。 ※参照:コンビニ9チェーン都道府県別の店舗数公開 問われる店舗運営力 では、コンビニよりも見る機会が少ない気がする不動産会社は全国で何法人あるかご存知でしょうか? こちらは2023年3月末時点の数字となりますが、コンビニエンスストアの約6.3倍もある368,552法人あるのです。 下記グラフを見ても分かる通り、2000年頃から徐々に法人数は増えてきていることが分かります。 ※出典:2023 不動産業統計集(3月期改訂):https://www.retpc.jp/ このように不動産業を営む法人数は毎年増えていることから、不動産業界は独立をする人が多い業界であることが分かります。 実際に不動産業界で働く方と話をしていても「将来的には独立を考えている」という声を耳にしますし、不動産業界未経験の方で、「なにかしらで将来独立がしたいと思っており、金融業界でお金に関する知識を身につけたので、次は不動産業界で不動産の知識を身につけたい」といった声も聞く機会がございます。 参考記事はこちら>>> 【内定者インタビュー】金融業界から不動産業界への転職。自分だけのコンサルタントだと思った ではなぜ不動産業界は独立する人が多いのでしょうか? 今回は、新卒で大手不動産会社を経験した後に30代で不動産会社を独立した方の話を交えながら、なぜ不動産業界は独立する人が多いのかについてご紹介していきたいと思います。現在不動産業界で勤務されており独立を考えている方や、まだ業界などは決まっていないけれども将来的に独立を目指しているという方の参考になれば幸いです。 不動産業界特化型転職エージェント『リアルエステートWORKS』に登録する なぜ不動産業界は独立する人が多いのか それではここからは不動産業界で独立する人が多い理由を、不動産業界で働く方や実際に不動産業界で独立した方に伺った内容を交えてご紹介致します。 不動産業界で独立する人が多い理由①:参入障壁が少ない まず1つ目の不動産業界で独立する人が多い理由は、独立するにあたっての参入障壁が少ないことが挙げられます。参入障壁とは、新たにある業界で事業を運営しようとしている人にとっての障害や壁となるものを指し、簡単にいうと事業開始にあたってのハードルのことを指します。 その参入障壁の中には既に事業を運営している企業の多さや優位性、技術力や資格必須の有無、事業開始にあたって必要となるコストの高さなど様々なものが挙げられます。 一般的に個人の技術や知識が問われるコンサル業や実店舗を持ち、常に商品のストックがある上で開始するような初期投資が必要になるような事業、弁護士などの専門的かつ必要な資格を取るまでのハードルが高い士業の場合は参入障壁が高いと言われております。 そんな中、不動産業界はなぜ参入障壁が少ないのでしょうか? これは主に不動産販売会社がメインの話にはなるのですが、不動産販売会社の会社を立ち上げる場合、販売する不動産の在庫を持っておかなくていいということが大きな理由となります。 もし不動産販売会社が販売する不動産の在庫を持っておかなければいけない場合は、1,000万円以上する不動産を1つだけではなくいくつか紹介するために購入し、お客様を獲得して販売して…と初期段階にコストがかなりかかり、独立時のハードルは上がってしまいます。 しかし不動産業界は、販売してほしい不動産を一覧で見ることができるサイトがあり、あらかじめ紹介したい不動産を購入しなくともその不動産をお客様にご紹介ができるため、もし知り合いに不動産を購入したいという方がいる場合はコスト面をかなり抑えた状態で独立ができるのです。 また、参入障壁の一つとなる独立に当たって必要な資格や技術面の話では、不動産業界での独立の場合は宅地建物取引士(以下宅建)が必須となりますが、技術面では特に必須となるものございません。 必須となってくる宅建についても、大手不動産会社だと8割~9割ほどが取得しており、大手不動産会社でなくても宅建取得制度が整っている不動産会社も多くあるため不動産会社で働く方にとってはとてつもなく大きな壁…というわけではありません。 そのため、不動産会社で働いている方は段々と「自分でも独立できるかも?」「社風が合わないのであれば自分で独立してもいいのでは?」と思うようになり、その結果不動産業界は若くして独立する人も多くなってきております。 不動産業界で独立する人が多い理由②:独立したいと考えている人が周りにいる 2つ目にご紹介した不動産業界で独立する人が多い理由は、同じ会社の上司や同期の中に独立したいと考えている人、そして独立していく人が出てきやすいということです。 不動産業界で独立する人が多い理由①でお話した通り、不動産業界は参入障壁が少ないため、独立していく人も多くいます。 そのため、同期やお世話になった先輩が独立して会社を辞める際にヘッドハンティングされました。という話も耳にします。 不思議なもので、今まで独立など考えていなかったのに、同期や身近な人がイキイキと独立についてなどを語っていると「自分もなにかしなければ」と焦ってきてしまいます。 また「独立する」という話を行くと自分の頭にも「独立」という言葉が徐々によぎってきます。 このように、不動産業界で働いていると周りが独立していく姿を見ていくため、段々と独立に対して意識が向いていき、独立するにはどうするのかを考えるようになります。そして独立するまでを考えていくと、意外と参入障壁が少ないことに気づきそして独立を目指すようになる。 そして独立する人の周りが独立することを考えるようになり…というサイクルが起き、結果的に不動産業界では独立をする方の数は増えていきます。 不動産業界で独立する人が多い理由③:独立後、稼げるイメージが沸く 最後にご紹介したい、不動産業界で独立する人が多い理由は、自分が独立してみた際に稼げるイメージが沸くからです。 もしどこかの不動産会社に勤めていた場合、契約を1件挙げても当たり前ですが手数料が全部自分のお給料として反映されるわけではありません。 会社の運営費用や勤めている会社全員のお給料などの固定費に充てられ、自分の手元に入ってくるのは毎月の決められたお給料と会社で決められたインセンティブ率に基づいた成果報酬分です。 もし契約した手数料が全部自分の手元に入ってきたら…?そう考えることもあるのではないでしょうか。 例えば独立して5,000万円の物件を販売することができた場合、売主買主両方からの仲介手数料が物件費用×3%+60,000円の売上となりますので、税抜き312万円をご自身が受け取ることができます。 もし3ヶ月に1件販売ができた場合は単純計算で年間12,480,000円の売上に。 そして自分だけで会社を経営しており、購入されたお客様が全員ご自身の知り合いだった場合は集客コストもかからないため、実際に独立した方の話を聞いたところ、固定費を少し抑えて運用すると毎月50万円で運用が可能となり、年間600万円。 結果単純計算で約600万円の利益を出すことができるのです。もちろんご自身のお給料を高くしたいという場合は固定費が変わってきますのでその分利益も下がってきます。 このように、不動産を買いたい!という方が周りにいらっしゃる場合は、固定費があまりかからず、3ヶ月に1件5,000万円の不動産を売ることで、独立しても稼げることが想像できるようになるのです。 トップセールスの場合ご自身が抱えているお客様も多くいらっしゃるので、今稼いでいる額よりもっと稼げるイメージが沸き、独立に進む人も少なくないのではないでしょうか? まとめ 初めにご紹介したように、不動産業界で独立する人は年々増加しており、その結果不動産会社の数はコンビニの約5.7倍となっております。不動産業界は独立する人が多いからこそ独立したいと考えている人が増えてきて、結果そのサイクルで今後も暫くは増え続けるかもしれません。 不動産業界は独立するまでのハードルは低いですが、独立して起こした会社で継続して売上を作っていくことが難しいです。 独立して最初の年は知り合いが不動産を購入したり先輩がお客様を紹介しれくれたりして上手くいくかもしれませんが、知り合いの方が何軒も購入するかは分かりません。 もし不動産が販売できなければ、もちろん売り上げは0円です。 独立のハードルが低いからとにかくまずは独立してみようと考える方もいらっしゃるかもしれません。 そうではなく、しっかりと競合調査などを行い、どこの地域でどんなコンセプトで運営していくのかを考え、またしっかりと不動産業界で経験を積み、法律であったり不動産の知識を身につけた上で独立をすることをお勧め致します。 併せて読みたい! 不動産営業担当から独立した私のステップアップ過程をご紹介 不動産業で独立するにはいくら必要?資金の目安や申請方法を解説 不動産業界特化型転職エージェント『リアルエステートWORKS』に登録する