不動産業界は、契約1件あたりで扱う金額が高額な為、消費者保護の観点から法律や業界ルールがかなり多く取り決められています。
そのため、専門的な知識が必要となり、一般的に年収が高い業界と言われています。

皆様は不動産営業職と聞くとどのような業務内容を思い浮かべますか?私が最初に不動産営業と聞いて思い浮かんだ業務内容は、主に一軒家の土地や既に立てられている住宅の売買をするイメージでした。しかし、一人暮らしを経験したことがある方はお世話になったであろう賃貸物件を取り扱う賃貸仲介営業職もまさに不動産営業職の一つです。また、不動産売買仲介に比べ、1年間に利用するユーザー数も多いでしょう。

今回は、不動産の中でも「賃貸仲介営業」にフォーカスをして、
賃貸仲介営業の仕事内容や、給与体系、年収アップの方法について、経験談をもとにご説明致します!


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賃貸仲介営業の仕事内容とは?

最初に、賃貸仲介営業職の仕事内容について簡単にご説明致します。

賃貸仲介営業職では、賃貸でお部屋を探しているお客様に空き部屋を紹介し、内覧→契約→引き渡しまでを担当します。         
不動産の売買に比べると規模は小さいですが、今後お客様が生活する住居を契約する仕事なので、仲介担当者の役割は非常に重要と言えます。

 

賃貸仲介営業への転職を決めた際のポイント


賃貸仲介営業職への転職を決め、次に賃貸仲介を行っている会社を選ぶ際、ポイントが1つあります。

それは「仲介業だけではなく自社で物件を管理しているかどうか」です。


賃貸仲介会社は以下の通り、仲介業だけを行っている会社と、自社で物件を所有し物件管理も同時に行っている会社があります。
①仲介業のみを行っている会社
②仲介業+自社所有の建物管理を行っている会社

②の場合は、入居者からの修繕依頼やクレームなど、営業以外の連絡を受けることが非常に多いです。 
単純に仲介営業職だけを担当したいという場合は、自社物件の管理を行っていない、仲介専門の会社を選びましょう。
  

 

賃貸仲介業の年収

 給料形態は主に3パターンあり、会社により規定が異なります。

 

1.完全固定給(年収約300万円~600万円前後)

歩合給(インセンティブ)がつかないので、年収は新卒で300万円前後、中堅から店長クラスで~500万円前後です。
給料は固定のため、例え契約件数が0件でも、毎月決まった給料が支払われます。
安定した年収を確保したい人や営業経験が全くない人、新卒で入社するという場合は、完全固定給の会社を選択すれば生活に困ることはありません。 

1度不動産業界を経験すれば、業界内での転職自体は難しくありませんので、未経験からスタートする場合は、固定給の会社でノウハウを学んだ後、経験を積んでから歩合給の会社に挑戦することをおすすめします。
 

【メリット】

①安定した収入を確保できる
②社員の育成に力を入れているので、研修制度が充実している
③先輩も同僚も同じように固定給なので、仕事を親切に教えてくれる(自分だけ稼ぎたいという気持ちが少ない)
 

【デメリット】

①収入の上限がある
②成果が給与に反映されにくい
③仕事が中途半端な人が身近にいた場合、自分は頑張っているのに仕事が中途半端な人とお給料があまり変わらないと考えるとモチベーションが下がる

 

2.固定給+歩合給(年収約300万円~1,000万円前後)

固定給があるので、たとえ契約が0件でも、給料が0円ということはありません。
ですが固定給の金額は会社により差がありますので、入社前に必ず確認しましょう。

さらに、契約件数によりインセンティブがもらえるので、完全固定給の会社に比べると給料は高い傾向にあります。
その人の営業力にもよりますが、繁忙期であれば、月に20件ほど契約件数獲得が可能です。
例えば、インセンティブが1件あたり1万円だった場合、固定給+20万円の歩合給が支給されます。
ただし、当然ながら契約件数が稼げない月もあるので、毎月コンスタントに件数獲得が出来ない場合、安定した給料をもらうことが難しくなります。 
大手企業は、このパターン(固定+歩合給)の給与形態が多いです。

営業経験はあるけれど、完全歩合給は自信がないという方は、固定給+歩合給の会社を選択しましょう。 
 

【メリット】

①契約件数0件でも固定給が一定額支給される
②自分の頑張り次第で給料が増える
 

【デメリット】

①契約件数が少ない月は給料が少ない

 

3.完全歩合給(0円~上限なし)

賃貸仲介業では、完全歩合給の会社は少ないですが、完全歩合制の企業もございます。
ただ、どちらかと言えばこの給与体系は、売買仲介もしくは売買・賃貸どちらも兼任している場合が多いです。

基本的には正社員という形ではなく、個人事業主と業務委託を結ぶ形で会社と契約します。
働く側は頑張った分だけ給料が増え、企業側は人件費を削減することができるため、双方メリットがあります。
この場合、固定給は0円となりますので、契約件数が0件の場合、収入も0円です。

かなり営業力に自信がないと、完全歩合給で働くのは難しいのでは…と不安に思う方もいると思いますが、よほどのことがない限り、ひと月の契約が0件ということはありません。

給与の算出方法は会社によりさまざまですが、単価が高いほど働き甲斐があります。入社前に必ず確認しましょう。
歩合給の場合、親切に教えてくれる人はいません。完全に自分ひとりの力で仕事をする必要があります。

新卒で入社する場合や、不動産業界未経験の場合、いきなり完全歩合の会社に入社するということはやめておいた方が無難です。 
 

【メリット】

①収入に上限がない
②働き方が自由 
 

【デメリット】

①安定した収入が確保できない(毎月コンスタントに契約できればOK)


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賃貸仲介営業職での年収アップ方法

 

1.インセンティブの金額が高い企業へ転職する。

同じ件数を重ねても、インセンティブの金額で年収が大きく変わります。
年収アップを望むなら、出来るだけ高いインセンティブがもらえる会社を狙っていきましょう。

 

2.営業力をつける

営業にはある程度コツがあります。
自分より多く稼いでいる人の案内に積極的に同行し、どのように営業しているか学びましょう。
自分ひとりでは見つけることができない学びがあるでしょう。

営業の本質を学ぶためには、隙間時間に読書をしましょう。

セールストークや心理学を学ぶことで、お客様の気持ちを先読みしたり、どのようにクロージングしたら良いか学ぶことができます。

色んな知識を得た上で、他の人には真似できない営業力を身につけていきましょう!

日々お客様のことを考え、弛まぬ努力を続けていれば、いつの日か「あなたの紹介だからこの物件に決めた」と言ってもらえることや、リピーターがつき、知り合いを紹介してもらえることも増えてくるでしょう。
 

3.宅建士の資格を取得する

不動産業界に就職した場合、宅建の取得が必須となります。 

国家資格の中で難易度はそれほど高くありませんが、合格率は15%、試験範囲が非常に広く簡単に取れる資格でないことは確かです。
筆者の私も、合格までに勉強時間トータル500時間ほど費やしました。

しかし宅建の資格を取得することで、不動産業界への転職はかなり有利になります。
宅建を持っているだけで採用されると言っても過言ではありません。
資格手当を支給している企業もあるので、それだけ宅建士は重宝されるという事です。

どれくらい年収アップが見込めるかというと、月に2万円資格手当が支給される場合【年間24万円】年収がアップします。(※手当の金額は会社により異なります。)かなり大きいですよね。

宅建資格手当がもらえる求人例:宅建資格手当が最大3万円!?宅地建物取引士が年収UPに繋がる求人3選

それだけではなく、宅建を持っていることで任される業務も増えていくので 、昇格や責任者に任命される可能性も高くなります。
役職がつけば、さらに年収アップが見込めますね。

 

賃貸仲介業の苦労とやりがい

一般的な職種に比べて、不動産業界の年収は高いです。
ですが、楽して稼げる仕事はありません。それなりに苦労する点も多いです。

 

賃貸仲介営業職の苦労


①残業がある
引越しシーズン(1月~3月)は繁忙期のため、特に残業が多いです。
②クレームが精神的につらい時がある
接客業なので当然クレームが起こります。
特に自分のミスで起こしたクレームはお客様から責められることもあるので、精神的につらい時があります。

確かに難しい仕事で苦労する点もありますが、それでも続けたいと思えるほどやりがいを感じる仕事でもあります。

では、どのようなときにやりがいを感じるのでしょうか?

 

賃貸仲介営業職のやりがい

①お客様から感謝されることが多い
②ノルマ達成できた月の達成感
③精神的に強くなれる
④自分次第で年収を上げることができる

不動産は、お客様の人生に大きくかかわる仕事です。
そのため、クレームや仕事の責任はとても大きなものとなります。
実際に精神的に耐えられず退職する同僚を何人も見てきました。
それでも、大きな案件で成功したときや、お客様から感謝された瞬間、給料が上がっていく喜びはとても大きいです。
日々困難を乗り越えることで、人間的にも成長できる仕事であることは確かです。

不動産業界への転職を考えている方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?


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