こんにちは。皆様は用地仕入れ営業についてどのような印象がありますでしょうか?

実際に用地仕入れ営業として勤務する知り合いからは、
「地主の方の玄関先で何時間も、何日間もかけて説得した」という話や、
「用地仕入れの仕事は不動産会社の人と仲良くなることなので色々な飲み会に参加する」といった話を聞いたことがあります。

これだけを聞くと用地仕入れ営業は大変そうだと思われやすいですが、もう少し話を聞いていくと、人に感謝されることが多かったり、自分が用地取得しない限り会社が回らないという責任感が大きかったりと大きなやりがいを感じることができるそうです。

今回は、そんな用地仕入れ営業のメリットとデメリット両方をご紹介します。是非、ご自身で、自分は用地仕入れ営業が自分に合うのかどうかなどを考えながらご覧頂けますと幸いです。

※用地仕入れ営業は不動産業界での営業を経験している人のステップアップとして選ばれることが多く、不動産営業未経験の方へご紹介できる求人は限られてしまいます。用地仕入れ営業の求人を検討したい!という方は、一度お問合せ下さいませ。


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用地仕入れの仕事内容


用地仕入れ営業の業務フローは、主に下記内容となります。
 各方面との関係性構築
 対象用地の調査および報告
 交渉および交渉内容の整理
 契約書類の手配および締結
 仕入れ用地の商品化

勘所としては、地権者(土地の所有者)との話をまとめて、不動産売買契約などを結び、自社の商品として取り扱えるように整えることです。
仕事内容は地味な作業が多いですが、不動産業者が利益を上げるためにもっとも重要な仕事であり、経営陣からの評価を得やすい仕事になります。
求められる能力は多岐にわたり、高い専門性とスキルが求められます。それだけに、用地仕入れを行える人間は少なく、できるようになれば、代替の効かない重要なポジションを獲得することができます。

また「真面目さ」が求められる仕事であり、不動産業界で働く方には「真面目」が苦手な方が多いので、「真面目には自信がある!」という方は挑戦する価値があります。
 

用地仕入れ営業で働くメリット

用地仕入れ営業で働くメリットには、
 出世コースに乗りやすいこと
 続けることで仕事が楽になっていくこと
 代替が効かないのでクビになりにくいこと
 不動産に関する専門知識がより深く習得できること
 しっかりとした関係性を構築できた場合、独立開業にかなり近くこと
が挙げられます。

それでは、1つづつご説明致します。
 

出世コースに乗りやすいこと

用地仕入れ営業で働く場合、一般的に出世コースに乗りやすいとされます。

不動産業従事者が出世コースに乗る場合、
①抜群の営業成績を出し続け、叩き上げで管理職に就く
②独自性の高い仕事をこなし、適任者のために部署が立ち上がる
のどちらかが多いです。

抜群の営業成績を出し続け、叩き上げで管理職に就くには、毎年(または毎月)コンスタントに抜群の成績を出し続け、管理職(店長など)に就任した後も支店単位での営業成績を求められ続けます。そのため、引退するまでプレッシャーが大きくのしかかり、どこかで心が折れてしまう方が多いのも事実です。

反対に用地仕入れ営業で働く場合、売り上げという指標で見られることよりも、仕入れた物件の数や利益率などによって評価されることが多く、結局のところ、誰かが売ってくれれば「あの案件は良かったなー!」となります。経営陣としては、売り物があってこその利益なので「あの仕入れのおかげで儲かった。いい仕入れだった。」と素直な評価を受けることが多く、経営側の印象に残りやすいです。

用地仕入れ営業の出世コースは、前述の2パターンどちらともがあり得ます。店舗に情報を集約させる力を期待されて店長になる場合もありますし、独自のパイプや知識を期待されて専門部署が立ち上がることもあります。
 

続けることで仕事が楽になっていくこと

冒頭で少し解説しましたが、用地仕入れ営業の仕事は地道な作業が多く、積み重ねが命になります。そのため、最初の頃はネタ(案件)が見つからず辛いことが多いですが、1年2年と続けていくうちに、だんだんと楽になっていきます。

極端な話、ボーッとしていたら仕入れの話が舞い込んできたということも多々起こるようになります。

というのも用地仕入れ営業の仕事では、
・ 地権者(地主など)
・ 不動産業者
・ 地元企業の経営者
などとの交友を増やし、顔を広げておくことが重要になるのですが、年数が経ち、関係性さえできあがってしまえば、仕入れの話そのものは勝手に入ってくるようになるからです。


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代替が効かないのでクビになりにくいこと

上述したように、用地仕入れ営業の仕事は、
・ 地権者(地主など)
・ 不動産業者
・ 地元企業の経営者
などとの交友を増やし、顔を広げておくことです。

ただし、これらの関係性を構築するまでには、何度も足を運び、あなた自身を気に入ってもらうことが重要になります。言い換えると、あなたのことを気に入っているからこそ、彼らは用地仕入れ案件の話を持ってきてくれるわけです。

そのため、利益に繋がる案件がたくさん欲しい経営者からすると、続ければ続けるほど「あなた」が代替の効かない人材になっていくので、クビにすることを避けたがる傾向にあります。また、クビにした(された)としても、あなたが構築してきたパイプがなくなってしまうわけではないので、顔が広いというだけで、情報が命の不動産業界では、次の会社から歓迎されやすい傾向にあります。
※実際に用地仕入れ営業の求人票には、○○地区の不動産会社とのパイプがあること。顔が広いこと。といった内容が必須条件として記載されることもあります。
 

不動産に関する専門知識がより深く習得できること

用地仕入れ営業の仕事では、
・ 宅地建物取引士
・ 不動産コンサルティングマスター
など不動産そのものに関する専門知識が求められるのは当然ですが、不動産に関する税金や銀行借入(いわゆる金策)などの知識も求められます。

地権者(地主など)が土地を手放すタイミングとしてよくあるのは、
・ 地権者が亡くなり、次の代に相続が発生した時
・ 孫などに現金を贈与するために換金したいと考えた時
・ 長年住んできた家から子供達も離れ、住み替えなどを考えた時
などが挙げられます。

いずれのケースでも、
 相続税
 贈与税
 住宅ローンの借り換え
 ハウスリースバックの活用
など、対応しなければいけない専門的な解決方法を駆使する必要があります。

結果的に、用地仕入れ営業に携われば携わるほど、顧客の問題解決スキルが高まり、不動産に関する実務的かつ専門的なスキルが高まっていきます。

 

しっかりとした関係性を構築できた場合、独立開業にかなり近くこと

不動産業に従事しようと志す方には「将来は独立開業して成功者になるんだ!」と野心を抱かれる方が多いと思います。用地仕入れ営業を続けることで独立開業にかなり近づくことができます。

もちろん、巧みな営業トークを身につけて、売って売って売りまくる営業力を武器にして独立開業することもできます。しかしながら、こちらのタイプの場合、常に売っていかなければいけないので、いつまで経ってもプレッシャーに苛まれることからは解放されません。

しかし、用地仕入れ営業の道を極め独立開業した場合、俗に言う「左団扇で暮らす」というスタイルが実現可能です。

前述の売って売って売りまくる営業力で独立した方も、売り物がなければ利益を産むことができません。結果的に、用地仕入れ営業を極め、太いパイプを構築したのちに独立開業した場合、豊富に売り物を取り揃えることができるので、相手の方から「売らせてくれ」と頼んでくることさえ起こります。

もし、あなたが本当に用地仕入れ営業の仕事に就いて、不動産業者への訪問を続けていったならば、「いつも事務所にいて暇そうにしているが、割腹も良く、いい生活をしている社長」に必ず出会うと思います。その方は、おそらく「左団扇で暮らしている方」です。


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用地仕入れ営業で働くデメリット

用地仕入れ営業で働くデメリットは、下記3つになります。
 真面目さが求められること
 一般社員からの評価は受けにくいこと
 「モノを売る営業力」は身につかないこと
 

真面目さが求められること

用地仕入れ営業で成功を収めるには「真面目さ」が求められます。冗談一つ言わない固い人間という意味ではなく、きっちりとやらなければいけないことは真面目にこなす仕事への姿勢を意味します。

深い部分になればなるほど、面倒な業務が多いのが不動産なのですが、用地仕入れ案件では、深い部分に触れる機会が多く、必然的に面倒な業務が増えます。しかし、面倒な業務ひとつひとつに真面目に取り組まなければ、後々大きな落とし穴にはまってしまうので、気をつけなければいけません。

 

一般社員からの評価は受けにくいこと

残念ながら、一般社員からの受けは悪いです。どうしても目立つのは「花形」である売って売って売りまくる不動産営業です。
しかしながら、重要なのは用地仕入れ営業であり、縁の下の力持ちであることは普遍の事実です。飲み会の主役は譲り、役員会議の主役を取りにいきましょう。
 

「モノを売る営業力」は身につかないこと

用地仕入れ営業を続ける場合、基本的にエンドユーザー(土地や家を買いたい一般の方)と接する機会はありません。ですので、当然ながら「モノを売る営業力」は身につきにくいです。

とはいえ、様々な案件に携わることで、
 交渉力
 ヒアリング能力
 コミュニケーション能力
が向上することは間違いなく、「モノを売る営業力」に求められる能力の大部分も上記が占めているので、まったく身につかないわけではないです。
 

用地仕入れ営業のメリット・デメリットまとめ

用地仕入れ営業で働くメリットには、
    出世コースに乗りやすいこと
    続けることで仕事が楽になっていくこと
    代替が効かないのでクビになりにくいこと
    不動産に関する専門知識がより深く習得できること
    しっかりとした関係性を構築できた場合、独立開業にかなり近くこと
が挙げられます。

続けることが正義であり、続ければ続けるほど、大きな恩恵を得られるようになっていきます。

用地仕入れ営業で働くデメリットは、
    真面目さが求められること
    一般社員からの評価は受けにくいこと
    「モノを売る営業力」は身につかないこと
です。

パッとしない印象を受けるかもしれませんが、真面目さに自信があり、縁の下の力持ちであることに満足感を覚えることができる方であれば、やればやるほど楽になっていく良い仕事です。是非皆様も用地仕入れ営業への転職をご検討してみてはいかがでしょうか?


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