今回は不動産ファンド会社に転職したい人に向けた記事をお届けします。

不動産業界の中でも高度な知識が必要とされる不動産ファンド会社では、新卒採用より実績・スキルをもった人を中途採用する会社が多い傾向があります。

そのため、不動産・金融業界などで経験を積んだ後にキャリアアップとして転職を目指すのがおすすめです。

また、不動産ファンドの仕事で役立つ資格を取得したうえで転職活動を始めるのも良いでしょう。

そこで本記事では不動産ファンドに転職する方法や、おすすめの資格について解説します。

 

不動産ファンドに転職する方法

不動産ファンド会社に転職するには、まず不動産・金融業界である程度の経験を積むことが大切です。

というのも、不動産ファンド会社では新卒よりも中途採用のほうが多く、勤務している人の多くが不動産・金融業界の出身者という特徴があるためです。また、専門性が要求される職種であるため、比較的高い年収を得られるといわれています。

そのため、実績・スキルを身につけた後の転職先として考えるのは、キャリアアップの方法として有効です。

未経験から不動産ファンド会社へ転職することも不可能ではありませんが、経験者に限定した採用が多い現状があるため、転職先は限られていると考えたほうが良いでしょう。

また、不動産ファンドの業務内容は多岐にわたり、アセットマネジメント、プロパティマネジメントなど物件の運用・管理がメインとなる業務もあれば、IR・ファンドレイジングなど資金を調達することを目的としたポジションもあります。

会社の事業内容や担当する業務によって必要なスキルが異なるため、転職先をご自身の力だけで探すのは困難といえるでしょう。そのため、転職活動をする際は転職エージェントを利用して、アドバイザーの助言を聞きつつご自身のスキルを活かせそうな会社を探す方法がおすすめです。

転職エージェントを利用することによって、企業・求職者それぞれを一人のアドバイザーが担当するため、ミスマッチが起こりにくいシステムになっています。


 不動産業界特化型転職エージェント『リアルエステートWORKS』

 

不動産ファンドに転職するために必要なスキル

不動産ファンドでは不動産販売・仲介会社とは違ったスキルを求められる傾向にあります。

そのため、不動産業界で長い勤務経験があっても、不動産ファンドに必要なスキルが十分に身についているとは限りません。 以下に不動産ファンドに転職するために必要となる主なスキルを紹介します。

 

不動産・金融の知識

不動産ファンドは投資家から預かった資金で不動産投資を行い収益を上げることががメイン事業となるため、不動産に加えて金融の知識が必須になります。

具体的には資金調達のノウハウや、投資対象である不動産の価値を見極める力が求められるので、銀行や証券会社での勤務経験や不動産売買の経験があると有利でしょう。

さらにデベロッパーなどで物件の売買経験があり、DD(デューデリジェンス)の知識をもっている人は知識を十分に活かせるでしょう。

一方、不動産ファンド会社では物件の取得がメインの業務になる関係上、不動産の仲介会社の経験だけでは知識が不足する可能性があります。

不動産業界で働いていて、不動産ファンドへの転職を考えている人は、こうした特徴をよく理解するようにしましょう。

 

コミュニケーション力

不動産業は、人を相手にする仕事なので、どんな業種でもコミュニケーション力が重要視されます。

不動産ファンド会社では、海外の不動産投資家と商談するケースもあるため、英語力があるとさらに有利です。

また、お客様との商談だけでなく、さまざまな協力会社・関係機関と連携しながらプロジェクトを進める必要があります。

 

人脈や資格

不動産ファンドの仕事を進めるためには、不動産会社や金融機関との人脈が重要なポイントになります。

不動産デベロッパー、銀行、証券会社などでの勤務経験があれば、広い人脈を作りやすいので、これらの会社である程度の人脈を作った後に転職活動に移るのもおすすめです。

また、宅建を始めとした専門資格を所持していると重宝される傾向があります。 有効な資格の種類は後述しますので、ぜひ参考にしてください。


不動産業界特化型転職エージェント『リアルエステートWORKS』

 

不動産ファンドにおすすめの資格5選

不動産に関する資格は数が多いため、実際に不動産ファンド会社への転職を目指すためにはどんな資格を所持していれば良いのか、イメージできない人も多いでしょう。 そこで、転職に有効な資格を5つ以下に紹介します。



 

不動産証券化協会認定マスター

不動産投資や金融のプロとしての知識が身につく資格です。この資格を所持していれば、不動産・金融の幅広い専門知識、スキルを所持していることを証明できます。

取得するには、マスター養成講座(コース1)をWEB講義で受講後、修了試験に合格する必要があります。

さらにマスター養成講座演習編(コース2)で、レポートの提出・スクーリングでの確認テストを受け合格しなければなりません。
※実務経験があれば、マスターに認定。金融や不動産の分野で2年以上の実務経験がなければアソシエイトとして認定される

マスター養成講座(コース1)修了試験の合格率は、毎年35%程度なので、さほど難関資格ではないように感じられます。

しかし、受験している人の多くは、大手不動産会社、証券会社、金融機関などの社員であり、不動産・金融の知識や経験が豊富な人が受験しているため、合格は容易ではないと考えておきましょう。

 

不動産鑑定士

不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格です。不動産の鑑定評価のほか、土地の有効利用などのコンサルティングを業として行うことが可能になります。

土地や建物といった不動産を鑑定し、適正な金額を導き出すスキルが身につく本資格を取得すれば、物件取得の場面において大いに活かせるので、不動産ファンド会社も高く評価されるでしょう。

合格率は32~33%程度ですが、試験のボリュームが非常に広く、日本3大難関資格として知られているほど難易度の高い資格です。

不動産・金融業界でのある程度の経験を積んだ人向きの資格といえるでしょう。

 

宅地建物取引士

不動産売買や賃借における重要事項の説明、重要事項説明書面の記名・押印、賃貸借契約書の記名・押印などの専権業務が与えられた資格です。

不動産業を営む場合、ひとつの事務所で業務に従事する者5人に対して1人の割合で設置が義務付けられています。

資格の知名度も高いため、不動産業界で働く場合、ぜひ取得しておきたい資格です。

宅建試験の合格率は15%程度で推移しており、相対評価であるため合格基準点が年によって変動する点に注意しましょう。

併せて読みたい!
不動産業界特化型転職エージェントが解説!宅建は転職において有利になるのか
宅建を持っていると転職に有利?宅建の4つのメリットをご紹介!
 

ファイナンシャルプランニング技能士

家計簿、資産運用、不動産に関する知識が学べる資格です。

1級から3級まで分かれていますが、実務経験が2年以上ある人、AFP認定研修を修了した人以外は3級から取得することになります。

3級の合格率は70~80%程度(日本FP協会の場合)であり、かなり高い合格率となっているため、初心者にもおすすめです。 2級はやや難易度が上がりますが、取得できればより深い知識が得られることでしょう。

 

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、マンションやアパートなど賃貸不動産の経営・管理に関する知識を学べる資格です。

2013年に創設された新しい資格で、元々は民間資格でしたが、2021年4月21日に国土交通省令により国家資格となりました。

宅建士のような独占業務はありませんが、資格を取得することで、物件管理や入居者募集など不動産投資に必要となる基礎知識が身につきます。

合格率は創設した2013年は85.8%とかなり高い数値でしたが、2020年の合格率は29.8%まで低下しています。

一方、受験者数は当初と比較すると7倍以上も増えており、直近で行われた2021年11月の試験では、過去最多の32,461名(前年度比5,123名増)が受験していることから、国家資格となったことも影響し、ここ数年でかなり注目されていることがわかります。
※参照元:国家資格後初の管理士試験、受験者数は過去最高

不動産投資がメイン業務となる不動産ファンド会社では、知識がとても活かせるうえ、比較的取得しやすい資格なので、業界での経験が少ない人にもおすすめしたい資格です。
 

まとめ

以上、不動産ファンド会社へ転職するための方法や、おすすめの資格について解説してきました。

不動産ファンド会社へ転職するには、不動産・金融での実績やスキル、専門資格がないと難しいのが現状です。

また、実際の業務では高い専門性や責任感が求められ、精神的な負担も大きいですが、一方で年収は非常に高く、800万円~2,000万円程度が水準となっています。 外資系企業の場合はさらに高待遇になり、大きなプロジェクトを任せられる機会も増えるため、不動産業界でキャリアアップしたい人にはおすすめです。

もし転職すべきかどうか迷っている場合は、一度転職エージェントのアドバイザーと面談してみて、希望に合う求人があるか確認してから判断するのも良いでしょう。


不動産業界特化型転職エージェント『リアルエステートWORKS』