みなさんはデベロッパーがどういう仕事なのかをご存じでしょうか。
デベロッパーは主に土地開発を行う職業ですが、その中にもいくつか種類があり、仕事内容は細かく分けられています。
デベロッパーはどんな人が向いていて逆にどんな人が向いていないのか、デベロッパーの仕事内容や種類、デベロッパーに転職する際にアピールできる資格やスキル、最後に大手デベロッパーの平均年収TOP5についてをご紹介します。
最後まで目を通していただき、少しでもデベロッパーという仕事に対して興味を持っていただけますと幸いです。
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デベロッパーってどんな仕事?
デベロッパーとはどんな仕事をするのでしょうか。「デベロッパー」という用語自体はを多くの方が聞いたことがあるものの、具体的にどういった仕事内容なのかを理解していない方は少なくないかと思います。
デベロッパーとは開発者という意味で、主に「土地を開発する仕事」であり、不動産関係の職業の1つです。
また、不動産業界の中でも職種が枝分かれしているように、デベロッパーの中でも更に細分化することができます。
その更に細分化した仕事内容を4つご紹介します。
用地取得
まずは、1つ目は用地取得です。用地取得とは、字の通り土地を手に入れることです。
用地を手に入れるにあたって、まず土地の調査を行う必要があります。
不動産流通会社や地権者、現地調査などから土地やその周辺の環境などといった情報を手に入れ、土地が持っているポテンシャルを吟味した上で用地を取得します。
そして、用地を取得をする際には、各地の土地の売買仲介をしている企業から土地を仕入れるケースや、地権者から直接取得するケースがあります。
この際、色々な視点から土地の調査を行うので、専門的な知識はもちろんのこと、用地を取得するための交渉力も必要になってきます。
企画・開発
2つ目は企画・開発です。用地を取得した後は、街づくりのコンセプトを企画・開発します。
企画は、土地や周囲の環境などをさらに調査し、街づくりのコンセプトを考え、その土地に最も合う建物を立てるための計画を立てる仕事です。
また、開発は、コンセプトに基づいて、外観や内装の設計やデザインを考える仕事です。
都市計画法や建築基準法に基づき、その土地に建てられる建物の用途や規模、延べ床面積が制限されるので、その中で取得した土地を最大限活かせるような建物の設計を行います。
販売
3つ目は、販売です。建物が完成した後は、オフィスビルへ入居する可能性のある企業や、商業施設へ出店する可能性のある小売業、飲食店、医療機関など、街のコンセプトに合う業界へ向けて販売や賃貸を行います。
オフィスビルや商業施設などは、基本的にテナントに向けて賃貸することが多く、その毎月の賃料がデベロッパーの収益になります。
また、マンションなども売却または賃貸をし、その際、「どのような顧客がこのマンションのコンセプトに合うか」などを考え、顧客に対して営業を行います。
管理
4つ目は、管理です。管理の仕事は、建物が竣工した後、開発した街の価値が向上するように地域住民やテナントと良好な関係を築き、建物および街を運営していくことです。
建設を企画して終わりではなく、建設後の管理・運用まで不動産デベロッパーが行います。
デベロッパーの種類
デベロッパーの種類は大きく分けて2つあります。
1つは、多種多様な不動産の企画・開発を行う「総合デベロッパー」です。
そしてもう1つは、住宅や商業施設など特定の不動産に特化した「専門デベロッパー」です。
この2種類のデベロッパーについて詳しくご紹介します。
総合デベロッパー
総合デベロッパーは、商業施設や公共施設、オフィスビル、工場、住宅などの大型物件を中心とし、街を構成するさまざまな不動産を幅広く手がけています。また、1つの建築物にとどまらずエリア全体で開発を行う場合も多く、1つの街を創り上げる事業も手がけています。
街づくりに携わることで、さまざまな企業や土地のオーナーなどとも関わることになり社会全体に大きく影響を与えられます。
総合デベロッパーの中でも、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産、野村不動産の5社は、代表的な大手企業と言われております。
専門デベロッパー
専門デベロッパーは、戸建てやマンションなどの住宅を専門的に扱う企業や、オフィスビルに特化している企業など、さまざまな専門分野を取り扱っています。そこで、さらに細分化し戸建てデベロッパーとマンションデベロッパーに分けて、ご紹介します。
戸建てデベロッパー
戸建てデベロッパーは、完成済みまたは完成予定の住宅と土地を一緒に販売している建売分譲住宅を中心に開発していきます。
区画を分譲し、所有者の希望に合わせて住宅を建築する場合もあります。
宅地を開発するところから始める場合もよくあり、土地の造成などしつつ広いエリアを開拓していきます。
また、戸建てを建てる土地を整備するのみならず、公園や道路などの整備も行うこともあります。
マンションデベロッパー
マンションデベロッパーは、マンションの開発・販売に特化しています。
マンション用地を取得し、建物の設計、建築、販売まで一貫して行います。
マンションデベロッパーの中でも、財閥系や鉄道系、商社系、金融系、ゼネコン系、ハウスメーカー系など、さまざまな種類があり、系統によって商品の特徴も異なります。
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デベロッパーに向いている人の特徴5選
次に、本題である「デベロッパーに向いている人」の特徴を3つご紹介します。向いている人の要素はもっと多くありますが、特にこの3つは大事な要素になってくるので、1つでも当てはまる方は自信を持ってチャレンジしてみてください。
チームワーク意識が高い人
1つ目は、チームワーク意識が高い人です。デベロッパーは、土地のオーナーや建設業者、社内の従業員など、社内外のさまざまな方たちと連携をとって不動産の開発を進めていくため、チーム一丸となって働きます。
そのため、協調性やチーム意識の低い方は、周りの方たちに迷惑をかけてしまったり、足を引っ張ってしまうことになりかねません。
自己中心的な考えや、自己利益のためだけに仕事を進めるのでは、チームが上手く機能しないので、周りを上手く頼ったり、困っている人がいたら力を貸してあげるような精神を持って仕事に取り組むことが重要です。
また、チームスポーツやサークル、ボランティア団体などチームで何かを成し遂げるような組織に所属している方、経験したことのある方は比較的向いているかと思います。
コミュニケーションスキルが高い人
2つ目は、コミュニケーションスキルが高い人です。コミュニケーション能力はどんな仕事においても必須の能力ですが、デベロッパーでは特に必要です。
なぜなら、デベロッパーはさまざまな人と関わる機会が多いからです。
例えば、用地を取得する際に土地の調査や仕入れをするのに色々な情報交換や交渉をします。
また、企画した不動産を建設する際に業者に依頼をしたりもします。
さまざまな場面でさまざまな人と関わるため、コミュニケーションが苦手だとプロジェクトを円滑に進められなくなったり、ストレスになってしまったりする可能性があります。
交渉力など、コミュニケーションをいかに上手に取るかで仕事の成果が大きく変わってきます。
責任感がある人
3つ目は、責任感がある人です。デベロッパーは、社内のみならず色々な企業や土地のオーナーとの関わりがあるため、プロジェクトを円滑に進めるためにも、自らがリーダーシップを発揮し、責任を持って仕事をこなす必要があります。
プロジェクトリーダーのような役割を果たすため、責任感のない人に務まる仕事ではありません。
責任感があると、周りの関係者からの信頼も厚くなり、どんどん仕事を任せてもらえる人材になること間違いないです。
デベロッパーに向いていない人の特徴
次は、「デベロッパーに向いていない人」の特徴を2つご紹介します。フットワークが重い人
1つ目は、フットワークが重い人です。デベロッパーの仕事として、用地取得や建物の建設、企画や開発を行う際に、色々な場所に足を運び、色々な人に直接会いにいって調査をする場合が多いです。
また、販売を行う際も電話営業だけでなく、実際に現地やモデルルームにご案内したり、お客様のご自宅に訪問したりなど足を使う仕事がメインになってきます。
そのため、フットワークが軽くないと全ての仕事が滞ってしまい、同業他社とのスピード勝負にも負けてしまいます。
単なる行動だけでなく、社内外の関係者への報連相やお客様への対応スピードなども全て、いかにスピーディーに動けるかがカギになってきます。
決断力がない人
2つ目は、決断力がない人です。決断力が大事なのは、不動産業界で仕事をする人全員に当てはまると考えております。
なぜなら、不動産は何億、何十億と高額のものが多く、大きな資金を動かすデベロッパーという立場で慎重になりすぎると、同業他社との競争に負けてチャンスを奪われてしまう恐れがあるからです。
もちろん不動産市場や経済動向も考慮し、慎重になることが必要な場合もありますが、臨機応変に、かつ大胆に行動し決断を下すことがプロジェクトを成功させるためには必須になってきます。
デベロッパーに転職する際にアピールできる資格・スキル
デベロッパーに転職をする際にどんな資格やスキルを身につけていると役に立つかを紹介いたします。これらの資格やスキルは必須条件ではありませんが、身につけているとデベロッパーの仕事で大いに活用できることが考えられます。
宅地建物取引士
1つ目は、宅地建物取引士の資格です。宅地建物取引士とは、毎年20万人前後の受験者数を誇る日本最大規模の国家資格であり、不動産取引の専門家を示します。
デベロッパーの仕事は、用地取得から建築まで主に不動産を取り扱うので、不動産関係や法律の知識が必要になってきます。
そのため、必須条件ではありませんが、宅地建物取引士の資格を持っていることである程度の不動産知識は習得しているため、確実に有利になります。
英会話能力
2つ目は、英会話能力です。昨今では、日本の不動産業界は海外事業などを展開している企業も少なくありません。
海外の物件を取り扱うことに伴い、海外企業や外国人のお客様への対応も多くなってきておりますので、その場合に英会話能力が必須になってきます。
英語力ではなく、「英会話能力」と表した理由は、専門的な不動産用語だけを英語で覚えても会話にならなければ意味がないからです。
初めは、中学レベルの英会話ができれば十分会話ができると言われております。
外国人の方と会話ができれば、デベロッパーとして仕事の幅も広がってくると思いますので、英会話能力を身につけることをおすすめいたします。
マネジメント経験
3つ目は、マネジメント経験です。責任感のある人やリーダーシップのある人がデベロッパーに向いているということは既に述べました。
そこで、マネジメント経験は、大きな資金や多くの人が動き、全体が1つとなって仕事を進めていくデベロッパーの仕事に間違いなく活かせますし、前職などで一度マネージャーに任命されていることにより必然的にリーダー的な素質を持っていると見られるので、転職をする際は確実にアピールポイントになります。
マネジメント経験のある方は、デベロッパーの仕事でもその経験を発揮できる可能性が高いので、ぜひチャレンジしてみてください。
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大手デベロッパーの平均年収はいくらなのか
大手のデベロッパーとなると、平均年収は不動産業界の平均額よりも高い傾向にあります。
下記表は、不動産業界全体の平均年収の上位5社を取り出したものです。
順位 | 会社名 | 平均年収 |
1位 | ヒューリック株式会社 | 1,708万円 |
2位 | 日本商業開発株式会社 | 1,558万円 |
3位 | 霞ヶ関キャピタル株式会社 | 1,311万円 |
4位 | 三井不動産株式会社 | 1,273万円 |
5位 | 三菱地所株式会社 | 1,267万円 |
参照:Ann株式会社「年収チェッカー」不動産業の会社ランキング 平均年収別
ご覧いただくと分かる通り、不動産業界の平均年収の上位5社は全てデベロッパーとなっています。
「不動産営業は稼げる」と耳にする方も多いと思いますが、不動産営業は成果を出せれば稼ぐことができる職種です。もし不動産営業で成果を出した場合は年収2,000万円も夢ではありませんので、そうすると平均年収1位の1,700万円よりも稼げるでしょう。
ただ、今回のように平均年収として見た場合、不動産営業は稼げる人と稼げない人の差があるため、上位には入ってきません。
その点、大手のデベロッパーとなると固定給自体が高く設定されておりますので、平均年収としてみたときに稼げるようになっています。
デベロッパーに転職したい方へ
最後に、デベロッパーという仕事がどういうものなのか、どういった人に向いているのか・向いていないのかなどご理解いただけましたでしょうか。デベロッパーという仕事は不動産業界の中でも、特に色々な素質や能力が求められます。
お客様や企業、社内外の関係者のため、またその地域のために動く重要な役割を担うので、特にやりがいのある仕事であると考えております。
ぜひご興味ある方、持っている資格やスキルを活かしたい方は挑戦してみてください。
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