この度は、グローバルベイス株式会社で事業部長兼人事責任者として現在も第一線で活躍し続けている尾川様より、なぜ異業種から不動産業界に転職されたのか、不動産業界で求められる人材とは?リノベーション会社と不動産会社の違いとは?など様々なお話をお伺いしてきました。現在不動産業界へのご転職をご検討中の方は是非ご覧くださいませ。
O(インタビュイー):グローバルベイス株式会社 事業部長兼人事責任者 尾川様
N(インタビュアー):株式会社ビヨンドボーダーズ リアルエステートWORKS 名尾
ー稼ぎたかったから不動産業界に転職した
N:尾川様はなぜ不動産業界に就職されたのですか?
O:私は、初めから不動産業界に入ったのではなく、大学を卒業して、新卒で電機メーカーの営業に就職しました。お給料は低くなく、通常よりは多くもらっていたと思います。けれども大きいメーカーの関連会社だったので、天下りの人たちが居たり、成績の良くない先輩とも賞与は変わらず…と面白くなかったんです。
もちろんお金が全てではないけれども、結婚していて子供も2人居たので、もっとお金があれば、ある程度生活にゆとりがでるだろうなという理由で、お金を稼ぎたいと思っていました。このままメーカーで働いていたとして、長く続けていれば徐々にお給料はUPして行くだろうとは思っていましたが、当たり前ですけれども一気には上がらない。そんな時、不動産業界に知り合いがいる、同じ会社で働いていた先輩が、不動産業界に転職するので「一緒にこないか」と誘ってくれたんです。
その先輩は、私を含めた3人に声をかけていて、3人全員が「不動産会社に転職する。」と言っていました。ですが、当時の不動産会社は長時間勤務、ほぼ休日なし、パワハラが日常茶飯事…など今では考えられないような酷い時代だったので、「他の2人はついてこられないだろう」と先輩が判断し、先輩と私の2人だけで不動産会社(マンション販売の会社)に転職したんです。これが私が不動産業界に入ったきっかけでした。
ー上を目指したいではなく、下の場所でうろうろしたくなかった
N:実際、最初に入社された不動産会社に入ったらどうでしたか?
O:想像していた通りでしたね。前職の電気メーカー会社で7年間ほど勤めていたので、辞める時に引き留められたんですけど、その時に上司から「不動産業界は殴る蹴るもあるし、会社近くの不動産屋の明かりが消えたところを見たことがない」という話もされました。そんな話を聞いてから、心構えがあった状態で転職したので、「まあ、こんなもんか…」と思いましたね。
N:不動産会社に入社した当初に掲げた目標などはありましたか?
O:あまり目標は持たないタイプなんですよ。だから目標というものはなかったですね。ただ、成績が悪くてやいやい言われるのも嫌でしたし、営業は成績を上げないとただの使えない人になってしまう。私はそういうレッテルを絶対貼られたくなかったんです。上を目指したいという想いより、下の場所でうろうろしたくないという想いの方が強かったですね。まあ稼ぎたかったというのもありましたしね。
マンション販売の不動産会社では4年半程勤務していました。その時、同じ会社の支店長が立ち上げた不動産会社に誘われ転職をしました。実は、設立当初の時も誘われたのですが、家族がいる中でこれから始まるという会社に転職するのはリスキーだと判断し、初めはお断りさせて頂いたんです。ですが1年後にその会社がある程度業績も落ち着いてきていて、再度誘われたので転職を決意しました。
N:最初の転職もですが、2回目の転職も上司に誘われていてすごいなと思ったのですが、人望が厚かったのでしょうか?
O:人望があるか…は分からないですけれども、ギャーギャー言うことが好きではなかったですね。当時チームを持っていたのですが、その時代では珍しく、唯一怒らない上司だったと思います。
本人の頑張りですから、本人が力を発揮できるようにするのが上の責任だと思っていますね。成績が悪いと部下の責任にするリーダーもいたけれども、私はそういうことは絶対にしなかったです。部下が商談を取ったら一緒に商談に付いていき、一緒に成約を決めてあげる。それの繰り返しでした。「部下の成績を上げる。」上にいく人は自分のことだけを考えるのではなくチームとして一緒に頑張ろうとしていると思います。
ー話を聞きに行ったつもりが入社することに
N:3社目の会社には何年程勤めていらっしゃったのでしょうか?
O:3社目の不動産会社では15年程在籍しておりました。上場も経験して、営業の責任者や管理本部長など様々な役職も経験し、最終的には専務取締役(No.2)になっていたんです。ただその時リーマンショック(2008年)があり、内定取り消しの問題が起きてしまったんです。(ー社内事情のため割愛ー)
最終的に専務取締役をしていた不動産会社が倒産しました。当たり前ですが仕事がなくなりますので、今後について考えていたんですね。同じ会社で働いていたメンバーが「一緒に会社を立ち上げましょう」とも言ってくれたのですが、自己分析をして、自分は経営者向きではないと分かっていました。ただ就職もできないし、迷いに迷って「よし、一念発起して会社を立ち上げるか」と思ったときにこの会社に出会いました。
グローバルベイスが行っている「リノベーション」という事業は、現在でも新しいと言われていますが、10年前の自分が入社するときはもっと新しいものでした。そして色々な会社がある中で、グローバルベイスは上手くいっていると当時業界で噂になっていたんです。そこで、今のグローバルベイスの社長(茂木社長)と2社目の会社で仲が良かったので、茂木社長にどんな仕事をしているのかというのを聞きにいったのですが、そしたら、「それならうちに来れば?」と茂木社長に誘われ、元々自分は経営者向きではないと分かっていましたし、一人でやるより組織に入った方が自分に向いていると思ったので現在の会社、グローバルベイスにお世話になることに決めました。
ー本当に実績がある人間はつてで動くことができる
N:現在の会社で4社目になりますが、転職活動…というよりかは、全部誘われて次の会社に入社されているんですね。
O:自分がどうかは置いておいて、本当に実績がある人間は、つてで動くことができると思うんです。どの業界でもそうだと思います。本当にすごい人は紹介会社経由では来ないです。自分がすごいとかではないですが、紹介会社は一切使っていないですね。
N:先程、尾川様の入社時からリノベーション業界で上手くいっていたという話があったと思うのですが、グローバルベイス様の強みとは何なのでしょうか?
O:かなり広範囲に行っている会社が多いのに対し、当社はエリアをかなり絞っています。また、リフォームの質に関しては業界ではかなり高い評価を得ていて、No.1とも言われますね。お金をかけていますね。郊外型のマンションだと、お金をかけてリフォームしてしまうと販売価格が高くなり、購入する人が減ってしまいます。当社は良い場所で、良いリフォームをして売っていることが強みだと思います。
他にも、通常のリノベーション会社は仕入れをし、不動産会社のツールを使用して他社に物件の販売してもらうケースが多いのですが、グローバルベイスは仕入れの人間が物件の販売まで行うことができます。なのでいざとなれば自分たちが売ることができる、それができる営業がいることが強みだと思います。
ー良い場所の物件が安く買える。それがリノベーション物件の良さである。
N:尾川様が思うリノベーション物件の良さとはなんなのでしょうか?
O:もうそれは単純です。「良い場所の物件が安く買える。」それに尽きますよね。買えない場所、もう物件が出てこない場所はもちろんあります。けれども中古の物件であれば出てくるんです。2016年頃からは中古の流通の方が新築の流通よりが多くなって来ているんです。
N:中古リノベーションマンション、本当にいいですよね。御社のコラボ物件のうちの1つ、オーシャン スタイル リノベーション がすごく好みでした!
O:コラボ物件ですね。当社は4~5年前程から行っていて、他の会社にはない切り口で、新しいことを先陣切って行うことができる会社だと思います。最近はユナイテッドアローズとのコラボも行っております。
ー良いものを作る会社、そして信用できる会社であるために
N:新築の販売も、中古の販売も両方を行ってきた尾川様が思う、新築販売会社とリノベーション会社の違いはなにかありますでしょうか?
O:リノベーション会社の一番の肝は仕入れになってきます。例えば、自分がなにかを売るとしたら少しでも高く売りたいですよね?ただ、リノベーション会社としては、流通価格で購入したらリノベーション費用がプラスでかかってくるので勝負になりません。流通価格が3,000万円ならリノベーション会社は2,000万円で買わなければ意味がないんです。
じゃあどうやって仕入れるのか。というと情報量を多くしないといけません。なので仲介会社の人と仲良くしたり、人間関係をどう構築していくかが大事だと思います。当社の強みにも繋がってくると思うのですが、「価格を出してください。」と言われたら時間をかけず、スピード感を大事にしています。また一度価格を出した後に価格を変更することは絶対にしません。これは信用に関わってきますので。仲介業者の中でのグローバルベイスの位置づけは良いものを作る会社、そして信用できる会社という評価を頂いています。
売主さんは少しでも高く売るために色々な会社に声をかけます。そうなったら目利きが大事になってきます。場所を見て、販売のことを考え、子の場所だったらいくらで売れそうだなと考えて適正価格を出せるようにします。もし周りが3,000万円を出した時に本当の適正価格が3,500万円なのであればその金額を提示できるようにします。
N:教育とかが大変そうですね・・・
O:エリアに特化している人であれば物件の適正価格が分かると思うのですが、やはり初めは難しいので先輩社員と一緒に行動をします。
適正価格が出せることが一人前であれば、一人前になるまでには7~8年はかかりますね。というのも、グローバルベイスさんから変な人来たよ、と業者さんから言われることがないように、初めの3~4年間は営業でがっちりやり、外に出しても恥ずかしくない状態になってから初めて仕入れがやれるようになるんですよ。
仕入れは最初ひたすら営業所に名刺を置きに行きます。そこから連絡してくれる人もいらっしゃいますし、それ以外にも他社さんが自社物件をお客様に紹介してくれる時があります。その時に電話などでやり取りから仲良くすることも多い。
リノベーションというのは、仲介業者の存在なくして成り立たない会社だと思います。だからこそ嘘は言わないですし、約束は守るということを大切にしています。
N:それはどこの会社も同じなのでしょうか?
O:そうですね。ただ、私が思うリノベーション会社とデベロッパーの違いがあります。デベロッパーは利益は全て自分たちの会社に入るんです。販売はできれば全部自社で行うなどして、なるべくお金を外に出さない仕組みになっています。今は変わってきたデベロッパーもありますが。
リノベーション会社は儲けを分け合うというイメージです。仲介会社さんに販売してもらうことに対して喜ぶ、お互いに良い関係性を築いていけるようにしています。
また、先程仕入れが肝になってくると言いましたが、良いものを作る人たちも大事になってきます。小さい工務店さんと協力して行っているのですが、そういう方たちにも儲けて頂けるようにしています。私たちは工務店さんに「年間でこれくらいをお願いするつもりです。」と伝え、年間契約をすることで、技術のある良い工務店さんに、できるだけ安く仕事をしていただくことができているのです。自分たちだけが良ければいいのではなく、協力してくれている全員が儲けることができるように務めています。
後編では、不動産業界で求められる人材や、過去の不動産業界と現在の不動産業界の違い、更に今後の不動産業界はどう変わっていくのか、などについてインタビューをした内容をお伝え致します!
【後編】グローバルベイス株式会社 人事部長尾川様インタビューを読む
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■会社概要
企業名:グローバルベイス株式会社
会社概要:2002年創業のリノベーション不動産のリーディングカンパニー。 物件の検索から資金計画、リノベ設計、施工までワンストップで行うリノベーションサービスである『MyRENO マイリノ』と同社で手掛けたリノベーション済み住宅を販売する『Reno Colle』の2つの主力事業を展開させる。近年はファッション・ガーデニング・ライフスタイルなど、自の世界観で話題のブランドや建築家とコラボレーションに積極的に取り組み、ユニークなリノベーションをも手掛ける。2020年5月より大阪ガス株式会社のDaigas Groupに参画し、豊富な資金力を活かし、現在年間 350 戸超の再販物件数の大幅な増強を目指す。
設立年:2002年04月
代表者名:茂木 敬一郎
資本金:9,500万円
従業員数:40名
住所:東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー23F
求人情報詳細:https://realestateworks.jp/jobs/1629