今回は不動産営業のインセンティブ制度に関する記事をお届けします。

不動産営業と聞くと、実力次第では若いうちから大きく稼げる印象をもっている人も多いのではないでしょうか。

確かに不動産会社の営業職では、一人ひとりに高い売上目標が課せられるケースが多く、
目標達成のためにプレッシャーや不安を抱えながら働く一方、
インセンティブにより大きな報酬を得ている人もたくさんいます

では営業能力に自信があり、稼ぎたいのであれば不動産営業職に転職すれば解決するのでしょうか?

というとそうではありません。不動産営業の中にもさまざまな職種があるため、
インセンティブ制の採用有無や歩合率、固定給との比率は、
会社によって異なることを理解しておく必要があります。

また、そもそもインセンティブの相場がどの程度なのかを
事前に知っておかなければ良いのか悪いのか判断も難しいため、
インセンティブの相場を理解しておくことも大切です。


そこで本記事では不動産営業におけるインセンティブ制度の詳細や相場、
職種別のインセンティブの額の違いについて解説します。


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不動産営業のインセンティブ制度とは?

不動産営業におけるインセンティブ制度とはどういったものなのか、
基本的な内容とメリット・デメリットについて解説します。

 

インセンティブとは何か?

インセンティブとはその人の成果に応じて報酬をもらえる制度のことです。
したがって、成果を上げた人と上げられなかった人で報酬に差異が発生します。

不動産業界だけでなく、他のさまざまな業界でも取り入れられており、
特に営業職においては用いられるケースが多いです。

会社がインセンティブ制度を導入する目的は、社員一人ひとりが仕事に責任感をもち、
より多くの売上を上げるためといって良いでしょう。
 

インセンティブ制度のメリット・デメリット

インセンティブ制度には以下のようなメリット・デメリットが考えられます。

【メリット】
・仕事のモチベーションが高まる
・社員の実績を正当に評価できる
・競争意識をもたせることができる

【デメリット】
・社員同士の関係が悪化する可能性がある
・安定した給与が得られない
・精神的なプレッシャーになる

自分の成果が直接給与に反映されるため、モチベーションの向上に繋がります。
実力ある会社員の中には「成果を上げているのに周囲と給料が変わらない!」
という不満を抱えている人も多いでしょう。

しかし、インセンティブ制度では自分の上げた成果がそのまま給与に繋がるので、
不公平感を抱くことがなくなり、社員同士の競争意識も高まるため、
会社全体の売上アップが期待できます。

一方、デメリットとしては社員同士がお互いを競争相手と見るようになり、
関係が悪化する可能性が考えられます。

また、給与は自分の成果によって左右されるため安定せず、
精神的なプレッシャーを抱えながら働くことになります。

中にはプレッシャーに耐えられず離職する人も多いため、
インセンティブを取り入れた会社への転職を考える場合は、
自分に向いている制度なのかどうか、よく考えたうえで判断する必要があります


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不動産営業におけるインセンティブ制度の歩合率相場

給与形態にインセンティブを取り入れた場合でも、給与のすべてが業務成果によって決まるケースは少なく
「固定給+インセンティブ」である場合がほとんどです。
中には給与の100%を成果報酬とする「フルコミッション制」を取り入れた会社もあります)

では、不動産営業におけるインセンティブ制度の相場はどの程度なのか、詳しく解説します。
 

歩合率の相場は仲介手数料の5~15%

不動産売買・賃貸の契約を成立させると、仲介を担当した不動産会社は、
仲介手数料を得ることになります。
不動産会社の仲介手数料の上限は、宅建業法により以下のように定められています。
 
取引物件価格(税別) 仲介手数料の上限
400万円超 取引物件価格(税別)×3%+6万円+消費税
200~400万円以下 取引物件価格(税別)×4%+2万円+消費税
200万円以下 取引物件価格(税別)×5%+消費税

参照元:国土交通省「宅地建物取引業法関係」


取引で得た仲介手数料の5~15%をインセンティブ(歩合)とするケースが一般的です。

しかし、会社の方針や扱う不動産によって金額が大きく変動するため、
インセンティブ制度を取り入れた会社への転職を考えている人は、
その会社の給与制度をできるだけ詳しく調べたうえで判断することをおすすめします

 

固定給の大きさによって変動する

不動産営業では「固定給+インセンティブ」を取り入れているケースが多いので、
固定給の大きさによって歩合率が変わります。

固定給が多い会社はインセンティブの比率が小さく
逆に固定給が少ない会社ではインセンティブを大きくとっている場合が多いです。

インセンティブを取り入れた会社でも、ある程度は安定した給与を確保したい人は前者、
完全に実力主義な会社で働きたい人は後者が向いているといえるでしょう。

 

不動産職種別、インセンティブの額の違いについて

不動産業界では売買営業、賃貸営業などさまざまな職種がありますが、
インセンティブの額は職種によっても変動します。

不動産売買仲介、賃貸仲介、不動産管理のケースを以下に解説します。

 

売買仲介営業:最も稼ぎやすい

不動産売買仲介営業は、インセンティブの額が一番高い職種といえます。

不動産という高額な商品を売買するため、動く金額が大きく、
一度の取引で得られる仲介手数料も高額になります。

たとえば、インセンティブが仲介手数料の10%だった場合。
1年間で1,000万円の仲介手数料が得られれば、100万円が支給されることになります。

もちろん、高額な家やマンションを売買するには労力を要しますが、
売れば売っただけ収入が増える仕組みは、営業が得意な人にとって大きなモチベーションになることでしょう。

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インセンティブ込みの年収相場はどのくらい?

売買仲介営業の年収相場は、会社次第ではありますが、400~600万円程度であることが多いでしょう。

一定の成果を収めていれば、平均年収程度か、平均年収よりやや多い程度の年収を得られるケースが多いです。

ただし、一部のトップ営業マンが高額な年収を得られる一方で、営業成績を挙げられない人は年収がかなり下がってしまうこともある点には注意が必要です。
 

トップ営業マンの年収はどのくらい?

売買仲介営業のトップ営業マンの年収は青天井といってよいでしょう。

仲介手数料の一定割合をインセンティブとして受け取ることができるため、例えば1億円の契約を決めて、300万円の仲介手数料を得た場合、40~50万円程度を歩合として受け取ることができます。

このため、特にオフィス用不動産や投資用不動産など高額な不動産を扱う方が給料を大きくしやすいといえます。
 

賃貸仲介営業:インセンティブの額が少なめ

不動産賃貸営業では、売買仲介営業と比較すると、インセンティブの金額はやや少なくなるでしょう。

賃貸物件の仲介手数料は家賃1ヶ月分であることが多く、
売買と比較すると1件の契約で得られる金額は小さいためです。

取引に必要な知識や契約を達成する労力は、売買と比較すれば少なくなりますが、
大きく稼ぐためには数多くの取引を成功させなければならないでしょう。

一方、売買仲介営業よりも固定給の割合が多めに設定される傾向にあるため、
インセンティブ制度はあってほしいものの、あまり大きな変動がなく
安定的に稼ぎたい考えをもっているに適した職種といえます。
 

インセンティブ込みの年収相場はどのくらい?

賃貸仲介営業の年収相場は400~500万円程度と、平均年収程度になることが多いようです。

賃貸仲介営業の場合、1件あたりの契約で得られるインセンティブはそう大きいものではありません。

そうした中でも、高額な契約をより多く決めることでインセンティブの額を大きくすることできるでしょう。
 

トップ営業マンの年収はどのくらい?

賃貸仲介営業のトップ営業マンの年収は、600~1,000万円など平均年収よりやや高い額になることが多いでしょう。

一方で、1件あたりの金額を大きくしづらいため、インセンティブの額も限定的です。

より高い成果を挙げて高い年収を得たいという方は、賃貸仲介より売買仲介の方がおすすめだといえます。
 

不動産管理会社:インセンティブを導入していないケースが多い

不動産管理会社では、インセンティブ制度を導入しているケースは少なめです。

不動産売買や賃貸と違い、マンションやアパートなどの管理費を定常的に得るビジネスモデルなので、
社員個人が目に見える成果を上げにくい職種であるためです。

どちらかといえば、インセンティブ制度を活用して大きく稼ぐのではなく、
安定的な収入を得たい人向きの職種といえるでしょう。

ただし、中には新規管理物件の受託業務を主としており、新しく物件管理を受託することで
インセンティブを得られる会社もあります


不動産管理業務に詳しく、営業力に自信のある人はこうした形態を取り入れた会社への転職を検討してみるのもおすすめです。

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インセンティブ相場を理解して不動産営業に転職しよう

以上、不動産営業におけるインセンティブ制度の詳細や相場、
職種別のインセンティブの額の違いについて解説してきました。

インセンティブは人によって向き不向きが大きく分かれる制度です。
成果を上げ、とにかく高い収入を得たい人には向いていますが、
安定した収入を得たい人や、精神的なプレッシャーを抱えやすい人にとっては、
負担が大きい制度とはいえます。

また、職種や会社のよってインセンティブの割合が異なるため、
転職を考える際は、その会社がどの程度の割合をインセンティブとしているのか、
きちんと確認することをおすすめします。

インセンティブ制度を取り入れた不動産会社へ転職する際は、
ご自身の実績やスキル、仕事に対する考え方を踏まえたうえで、
転職が望ましいかどうか判断することが重要です。


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