宅建士を取得すると仕事に困らないという話を聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。 実際のところ、宅建士の資格を取得することで、どのような変化があるのでしょうか。 本記事では、宅建士を取得すると仕事に困らなくなる理由や、やめとけといわれる理由と併せて、長く資格を活用するためのポイントなどご紹介します。 不動産業界特化型転職エージェントに相談する 宅建を取得すると仕事に困らない理由 宅建資格を取得するとなぜ仕事に困らないといえるのでしょうか。 ここでは、宅建を取得すると仕事に困らなくなる理由として以下の4つをご紹介します。 不動産取引の独占資格がある 宅建業を営むには宅建士の資格者が必要になる 不動産取引がなくなることはない 不動産業界で専門知識を身に付けると長く活躍できる それぞれ見ていきましょう。 不動産取引の独占業務がある 不動産取引は、大きなお金が動く取引ということもあり、契約前に重要事項説明を行う必要があります。 また、この重要事項説明書や、不動産取引の売買契約書は、宅建士による記名・押印が必要となっています。 こうした、重要事項説明書や売買契約書への記名押印は、宅建士の独占業務です。 独占業務とはその資格者以外行うことのできない業務で、法律の専門家である弁護士や司法書士、行政書士などであっても代わることができません。 宅建業を営むには宅建士の資格者が必要になる 不動産業務の中でも、宅建業を営むには会社の規模に応じて一定人数の宅建士を配置しなければなりません。 具体的には、従業員の数5人に対して1人以上の宅建士の配置が必要とされています。 先程の、重要事項説明書や売買契約書への記名・押印と合わせて、不動産取引に関して宅建士はさまざまな特権が与えられているのです。 不動産取引がなくなることはない AIなど最新技術の進化により、仕事がなくなっていくことはあるでしょう。 また、今後日本の少子高齢化が進んだり、景気が後退したりしてしまえば、業界次第では仕事が少なくなっていくことも考えられます。 この点、不動産取引は仕事が多少少なくなってしまうことはあっても、完全になくなってしまうことはあまり考えられません。 賃貸アパートや戸建などの不動産取引に関しては、「衣食住」のうちの「住」に関するものであり、今後も高い需要が見込めるからです。 実際に、2020年に起こったコロナショックでは、各業界で大きな経済的ダメージがありながらも、住む場所は必要ということから、不動産取引は活発に行われました。 不動産業界で専門知識を身に付けると長く活躍できる 不動産業界での仕事は、不動産に関する知識だけでなく、金融などさまざまな知識が求められることが多いです。 最初は大変なことが多いものの、一度業務を通してそれらの知識を身に付けることができれば、不動産業界で長く活躍することができます。 宅建士は不動産業界で働く人にとって、不動産に関する一定の知識を有していることを証明する資格だといえるでしょう。 不動産業界で長く働いているという業歴を有しており、さらに宅建士の資格を保有していれば、不動産業界での転職では高く評価されやすいといえるのです。 宅建資格を取得することで人生が変わる? 宅建は不動産業界で活用しやすく、転職を考えているのであればメリットの大きい資格です。 実際に宅建資格を取得した人の中では人生が変わったと感じている方もいらっしゃいます。 ここでは、宅建資格を取得することでなぜ人生が変わるのか、3つの理由をご紹介します。 勉強の習慣が身につく 自己肯定感が上がる 収入が上がる それぞれ見ていきましょう。 勉強の習慣が身につく 宅建士の資格は簡単に受かるものではありません。 資格取得のためには、一定期間、継続して勉強を続ける必要があるでしょう。 社会人の方で、勤めながら勉強する場合は仕事終わりに勉強の時間を確保しなければなりません。 学生の方であっても、通常の勉強とは別に、宅建士の資格取得のための勉強時間を確保しなければならないでしょう。 こうした、目標を達成するために勉強の時間を確保することで、勉強の習慣を身に付けることができれば、中長期に見て仕事や人生がうまくいく可能性は高くなるはずです。 自己肯定感が上がる 宅建資格の合格率は約20%程度です。 超難関というほどではありませんが、しっかり勉強に取り組まなければ合格することはできないでしょう。 目標達成に向けて計画を立てて勉強に取り組み、実際に本番で結果を出して合格することで、自己肯定感を高めることができます。 なお、上記の流れを一般化すると以下のようになります。 ・目標から逆算した計画を立てる ・日々の計画(準備)を実行する ・本番で成果を出す 実際の仕事も基本的に上記の流れの繰り返しだといえます。 宅建の資格試験に合格することで、仕事で成果を出すための成功体験を積むこともできるのです。 収入が上がる 宅建士の資格を取得した後で、不動産業界への転職を実現できれば、現在の仕事より高い年収を実現できる可能性は高いでしょう。 また、現在すでに不動産業界で働いている人が、宅建士の資格を取得すれば、資格手当といった形でダイレクトに収入アップにつながる可能性があります。 なお、不動産業界に限らず、公務員の方や金融機関に勤めている方も、資格手当といった制度が用意されているケースがあります。 気になる方は、あらかじめ人事などに確認しておくとよいでしょう。 宅建はやめとけといわれる理由 宅建士の資格を取得すると仕事に困らない・人生が変わるといわれる一方で、宅建士の資格を取得しても役に立たない・やめとけという意見を見ることもあるのではないでしょうか。 ここでは、宅建士が役に立たないといわれる理由について見ていきましょう。 具体的には、以下の2点です。 資格取得者が増えている 宅建士の資格を取得しても営業できるわけではない それぞれ見ていきましょう。 資格取得者が増えている 宅建資格は数ある資格の中でも人気が高く、毎年20万人以上の方が受験しています。 また、そのうち17%程度、毎年4万人程の方が試験に合格しているのです。 実施年度 受験者数 合格者数 合格率 令和5年度 233,276 40,025 17.15% 令和4年度 226,048 38,525 17.04% 令和3年度 234,714 41,471 17.66% 令和2年度 204,250 34,338 16.81% 令和元年度 220,797 37,481 16.97% 宅建資格は簡単に取れる資格ではありませんが、弁護士や公認会計士などの難関資格と比較すると、取得が困難というわけではありません。 不動産業界はもちろん、金融業界などでも資格の取得を考える人がいます。 また、試験範囲の多くを民法が占めていることもあり、法律系資格の登竜門と言われることもあります。 上記のような理由から、毎年多くの方が宅建資格を受験しており、しかも近年ではその数が増加傾向にあります。 冒頭でお伝えした通り、宅建士には不動産取引における独占業務がありますが、資格取得者の数は多く、希少性が低いともいえるのです。 宅建士の資格を取得しても営業できるわけではない 宅建士が役に立たないといわれる理由の2つめとして挙げられるのが、宅建士の資格を取得しても営業成績が上がるわけではないということがあるでしょう。 不動産業界の仕事の花形といえば不動産営業です。 実際に不動産営業の方で宅建士の資格取得を考えている方は多いでしょう。 しかし、宅建士の資格試験に合格したからといって、多少の信頼性アップにはつながるでしょうが、営業成績がすぐにアップするわけではありません。 特にこれから転職しようと考えている方は、不動産業界に入る前に宅建士を取得するよりは、不動産業界に転職して一定の業績を挙げてから、宅建士の資格取得を考えるのがおすすめです。 長く宅建を活用する3つのポイント 宅建を取得すると仕事に困らなくなる側面がありますが、一方で宅建は人気の高い資格であり、ただ資格を取得するだけではもったいないケースもあります。 ここでは、宅建の資格を取得した方が、より長く宅建を活用するためのポイントとして、以下の3つをご紹介します。 営業力を身に付ける 専門知識を身に付ける ダブルライセンスを取得する それぞれ見ていきましょう。 営業力を身に付ける 宅建は資格を取得しただけでも、独占業務があるため価値はあります。 しかし、本記事でもご紹介した通り、宅建士は毎年4万人ほど誕生しており、希少価値は低く、代えが聞きやすいという点がデメリットとして挙げられます。 この点、宅建の資格を取得したうえで、営業力を身に付ければ、重宝される人材になるでしょう。 なお、「宅建の資格を取得しても営業力は身につかない」のは確かですが、中にはその逆に「営業力は高いけど宅建士の資格試験に何年も落ちている」という方もいらっしゃいます。 営業力が高いことは、それ自体価値があるため、資格を取得するメリットを見いだせないといった理由が考えられるでしょう。 もしくは「営業は得意」だけど「勉強は大の苦手」というケースも考えられます。 そうした中で、宅建士の資格を取得したうえで、営業力が高い人であれば、掛け合わせでより高い市場価値があると見ることが出来るでしょう。 専門知識を身に付ける 宅建士は広く不動産取引に関する業務に取り組むことができます。 宅建士の資格を取得したうえで、不動産業界での仕事で一人前になったら、専門知識を身に付けることを考えるとよいでしょう。 例えば、不動産の仕入れを行っている人であれば、どんな状況の土地であっても、権利関係をまとめられるだけの知識や、専門家とのつながりがある、という状態を作ることができれば、長く活躍できるビジネスマンになれるでしょう。 単に宅建の資格を取得していることや、担当業務で一人前の仕事ができるだけでなく、該当の分野で一流といわれる仕事をできるように努力を積み重ねることが大切だといえます。 ダブルライセンスを取得する 宅建士の資格は法律系資格の登竜門といわれることもあり、さまざまな資格とのダブルライセンスを考えるのもよいでしょう。 例えば、司法書士や土地家屋調査士とのダブルライセンスであれば、登記の専門家かつ不動産取引の専門家といったアピールができるでしょう。 他にも、賃貸不動産経営管理士やマンション管理士など不動産に関する資格とダブルライセンスすることも考えられます。 その他、FP技能士とのダブルライセンスもおすすめです。 不動産は大きなお金を扱うこともあり、購入する方にとっては人生における最大の決断になるという方がほとんどです。 このため、住宅ローンや保険などの知識を持ち、ライフプランニングを作成できるFPは高い相乗効果を得やすいといえるでしょう。 まとめ 宅建士の資格を取得すると仕事に困らなくなるといわれる理由や人生が変わるといわれる理由、その逆にやめとけと言われる理由などご紹介しました。 特に不動産業界への転職を考えている人に取って、宅建士の資格取得はプラスになる側面が多いでしょう。 一方で、宅建士の資格取得には一定の期間が必要になることが多く、また資格を取得したからといって必ずしも仕事で成果を出せるわけではないという問題があります。 上記のような理由から、宅建士の資格取得の先に不動産業界への転職を考えている方は、まずはプロに相談してみるのがおすすめです。 不動産業界に特化した転職エージェントのリアルエステートWORKSであれば、ご状況に応じたアドバイスを得ることができるでしょう。 不動産業界特化型転職エージェントに相談する